米利下げ 日銀利上げ見送り、揺れるマーケット 専門家の見解は?【Bizスクエア】
■アメリカ 利下げ2025年は、2回に? 高まるインフレ懸念 アメリカの方は予定通りの利下げではあった。今後についてパウエル議長が非常に慎重な姿勢を示している。パウエル議長は「新たな局面に入ったので、更なる利下げは慎重に判断する」「利下げの余地はかなり小さくなっている」「景気後退を回避したのは明らかだ」「インフレに関する不透明性が高くなっている」といった発言をした。 ――今回のアメリカの利下げは、パウエル議長の発言から、利下げの説明をしているよりも、「もう利下げ止めます」という説明をしているように聞こえた。 東短リサーチ 加藤出氏: 思ったほどインフレの下げが進まない。実際、消費が強いという現実に直面している。消費が強いことは、悪いことではないが9月から0.5%の大幅利下げで始まった今回の局面を一旦様子見しないとまずいということにはなっている。 同時に出た、今後のアメリカの政策金利見通しの「ドットチャート」。前回9月の時点では利下げは2025年に4回あるだろうと見ている人が一番多かったが、9月から3か月しか経っていないのに、今回の12月の調査では、利下げの見通しが2回も減ったので、市場が驚いた。さらに「1回しか利下げできない」という人も、メンバーの中に3人いて、「もう利下げはない」と言っている人も1人いるということがわかった。かなりインフレ警戒的になっている。 東短リサーチ 加藤出氏: 9月の時は、(利下げが)「4回」というせめぎ合いがあるが、「ない」という人もいる。今回も「2回」と「3回」のせめぎ合いかと思ったら、「2回」に集中しているので相当見通しを変えてきている。ただ12月20日の金曜日時点でアメリカの先物市場から見ると、2025年の利下げは「1回もない」という確率が16%、「1回だけ」が35%。「2回」が31%ぐらいに、ばらける感じだ。 ――アメリカはなかなか利下げできない、場合によっては利上げもあるかもしれないとすると円安が進むのではないか。
東短リサーチ 加藤出氏: アメリカの方で「利下げがもう終わる」という議論が本格化してくると、マーケットの関心が「利上げはいつだろう」となる。一方、日本は非常に慎重で、日銀がなかなか金利を上げないという話になり、また円安局面が激しくなっていく。 ――金融政策の責任は重い。 (BS-TBS『Bizスクエア』12月21日放送より)
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