米利下げ 日銀利上げ見送り、揺れるマーケット 専門家の見解は?【Bizスクエア】
■日銀 利上げ見送り 利上げ判断「もう一段落」 そしてさらに円安を加速させたのが日銀の利上げ見送りだ。日銀は12月19日、2024年最後の金融政策決定会合で、追加利上げを見送った。 日本銀行 植田和男総裁: データがオントラック(想定通り)でここ数か月きているので、それを前提にすると私どもの見通しが実現していく確度は、多少なりとも上がっている。次の利上げの判断に至るには、不正確な言い方ではあるが、もう1ノッチ(段階)ほしい。その1ノッチの中に賃金上昇の持続性ということも入ってくるかと思う。 植田総裁は利上げを判断するには、2025年の「春闘」での賃上げ状況や、アメリカのトランプ新政権の影響について「もうすこし情報が欲しい」と述べ、利上げを急がない姿勢を示した。 会見後、為替は一時157円台まで進行し、5か月ぶりの円安水準となった。加藤財務大臣は翌12月20日、市場の動きを牽制した。 加藤勝信 財務大臣: 為替の動向を憂慮しており、行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取っていきたい。 円安の進行が懸念され、2025年1月の日銀の会合での利上げの判断が注目されるが、植田総裁は「1月会合であれば支店長会議の結果も参考にするということになるが、そこは総合判断にならざるを得ない」とした。 ■日銀 なぜ利上げ見送り? 円安進行 いつ利上げ? 植田総裁は会見で「データはここ数か月オントラック(想定通り)で来ている。もう1ノッチ(段階)欲しい」とし、他にも「春闘など今後の賃金の動向についてもう少し情報が必要」。また「海外経済の先行きが引き続き不透明だ」などと発言した。 ――1ノッチ、一体何が欲しいのか。 東短リサーチ 加藤出氏: 春闘のその先行きをもう少し確認したい、それからトランプ政権の経済政策を確認したいということのようだ。 ――日銀はなぜ利上げしなかったのか。 東短リサーチ 加藤出氏: 上げるべきいい流れではあった。あまりに金利が低すぎて経済を歪めているという話は日銀もしてきた。ただ8月5日の株価の急落以降、非常に慎重になっている感じはある。