ハレー彗星のかけら、オリオン座流星群が今年も到来 見ごろはいつ?
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の接近が話題だが、もっと有名な彗星がはるか昔に太陽系に残した置き土産が、毎年この時期になると地球に届く。世界に名だたるハレー彗星を母天体とするオリオン座流星群である。 【画像】1986年の地球接近時に撮影されたハレー彗星 今年のオリオン座流星群は9月26日ごろから始まる。もっとも極大を迎えるのは数週間先なので、まだ観測スポット探しには十分間に合う。 流星群は11月22日ごろまで、晴れた夜ならいつでも出現する可能性がある。ただし、活動が最も活発になるのは10月21日~22日だ。観測するならこの一晩が絶好のチャンスとなる。 ■オリオン座流星群の極大 米国流星学会(AMS)によると、オリオン座流星群は中規模の流星群だが、出現数が急激に増大することがある。流星の数が最も多くなると予想される極大時刻には通常、1時間に20個程度が見られるが、年によっては50~75個に達する。 今年の極大の夜はほぼ一晩じゅう月が出ているため、流星群を見るのはちょっと難しい。暗くなってから「流れ星」を探すのがよいだろう。極大前後を狙って観測を試みるなら、月の出と月の入りの時刻を調べておこう。 ■ハレー彗星から生まれたオリオン座流星群 流星(いわゆる流れ星)は、宇宙の小さな塵の粒が地球の大気圏に突入して燃え尽きる際に光を放つ現象だ。オリオン座流星群の元となっているのは、1986年に太陽系を通過し、2061年に再び太陽系にやってくるとみられるハレー彗星(1P/Halley)が軌道上にばらまいた塵や破片で、秒速約65kmという高速で大気圏に飛び込んでくる。 天文情報サイトTheSkyLiveによれば、ハレー彗星は現在へびつかい座に位置している。 母天体がハレー彗星でありながらオリオン座の名を冠しているのはなぜかといえば、流星が飛び出してくるように見える中心点がオリオン座の方向にあるからだ。天文学用語では「放射点」と呼ばれる。極大の時期のオリオン座はちょうど真夜中ごろに東の空から昇ってくるが、流れ星は夜空のどこにでも出現する。 ハレー彗星は、10月のオリオン座流星群のほかにもう1つ、5月に出現するみずがめ座η流星群の母天体でもある。 ■オリオン座流星群を見るには 米航空宇宙局(NASA)は、流星群を観測したい人向けに次のような助言をしている。 ・都市部の光害からできるだけ離れる(できれば星空保護区へ行く) ・視界を遮るもののない見晴らしのよい場所を見つける ・気温の低下に備えて暖かい服装をする ・少なくとも30分間は辛抱強く観察する。リクライニングチェアやシートを用意するとよい ・望遠鏡や双眼鏡は使わない。流れ星を見つけるチャンスが大きく減ってしまう ・携帯電話や照明などの白色光源を見ない。一瞬で夜間視力を失ってしまう。暖色光源のみを使う
Jamie Carter