「トップシェフ」優勝シェフが表現する“クラシックへのオマージュ” 「遊び心のある新しいクラシック」
食の都・パリを牽引する名門ホテルのメインダイニングは、受け継がれてきた技術と革新的な感性を備えたスターシェフたちの“作品”に魅せられる場所。 【画像】ゲストのサーブに使われるワゴンもアンティーク調。室内のライティングを含めて、各分野のスペシャリストと組み、緻密にコーディネートされている。 その優美なガストロノミーを皮切りに、今行くべきグルマンの旅を案内する。 4回に渡り、名門ホテルのメインダイニングとそのホテルをご紹介。
古典フレンチの奥深さを表現
◆Jean Imbert au Plaza Athénée(ジャン・アンベール・オ・プラザ・アテネ) アラン・デュカスの後任としてシェフに就任したのがジャン・アンベール氏。 料理のリアリティ番組「トップシェフ」の優勝者として注目を浴びていた彼が表現するのは“クラシックへのオマージュ”だった。 約250年前に書かれたレシピやエスコフィエの料理本を紐解き、埋もれてしまっている古典料理を掘り起こすといった研究心で自身の世界観を構築。 「何世紀にもわたってモダンで、遊び心を忘れない伝統料理に敬意を表したい」という思いがそこにはあった。 例えば、前菜の“ザ・ブリオッシュ・アントワネット・キャビア”はパン不足に不満を持った民衆たちに「パンがないならブリオッシュを食べればいいじゃない」と言った話から着想。 伝統的な料理に物語を添えて、ゲストを楽しませるアイディアに溢れている。 料理だけでなく、インテリア、テーブルセッティング、サービススタッフの制服、メニューのデザインにいたるまでマリー・アントワネット時代をイメージしてコーディネート。 デザートが出されるときは呼び鈴が鳴りガラス扉が上がりパティスリーシェフが登場するといった演出で、エンターテインメント性のあるひとときが過ごせる。伝統と新しさが相乗効果となったスペシャルな体験を。 Jean Imbert(ジャン・アンベール) 1981年生まれ。2021年にホテル・プラザ・アテネの総料理長に就任。2023年よりカンヌのホテルマルティネスのレストランにも携わる。 Jean Imbert au Plaza Athénée(ジャン・アンベール・オ・プラザ・アテネ) 所在地 25 Avenue Montaigne 75008 Paris 電話番号 01 87 16 44 60 営業時間 12:30~14:15(土曜のみ営業)、19:15~22:15 定休日 日・月曜