今日箱根駅伝!駒大、青学の2強対決はどちらが優勢か…ダークホースは現れるのか?
創価大は前回の往路Vメンバーが4人残っている。このうち2区(区間6位)のフィリップ・ムルワ(3年)、4区(区間2位)の嶋津雄大(4年)、5区(区間2位)の三上雄太(4年)が前回と同じ区間に登録された。ムルワと嶋津は10000mで27分35秒29、28分14秒23をマークするなど1年前よりも確実にパワーアップしている。前回3区(区間3位)の葛西潤(3年)は補欠登録だが、1区もしくは3区で起用されるだろう。登録選手上位10人の10000m平均タイムは5位(28分35秒81)につけており、10区間トータルの戦いでも2強に迫ることができるかもしれない。 注目選手では東京五輪の男子3000m障害で7位入賞を果たした順大・三浦龍司(2年)が補欠登録となった。本人は1区を希望しているが、2区の起用も十分にあり得る。三浦が花の2区を好走すれば、前回2区(区間10位)を務めた野村勇作(3年)を他の区間(7区など)にまわすことができる。加えて出雲と全日本のアンカー区間で活躍した四釜峻佑(3年)が当日変更で5区に入る可能性が高い。総合優勝を狙うにはバランスのよい区間配置になる。 2区にはヴィンセントとムルワを含めてケニア人留学生が4人登録された。駿河台大のジェームズ・ブヌカ(4年)も当日変更で1区もしくは2区に入るのが有力だ。1区にも10000mでU20日本歴代2位の28分03秒90を持つ中大・吉居大和(2年)、予選会日本人トップの中央学大・栗原啓吾(4年)らエース級が入っている。1区は強烈なスパート合戦になり、2区は超高速レースになるだろう。 初優勝を目指す國學院大は木付琳、島崎慎愛、藤木宏太(ともに4年)、平林清澄(1年)の主力4人を補欠登録。11年ぶりの優勝を狙う早大も10000m27分台の中谷雄飛(4年)と井川龍人(3年)を補欠に入れるなど、有力校の指揮官たちはライバル校の動向を見ながら戦略を練っている。 また出雲と全日本で区間賞を獲得した前5000m高校記録保持者の東洋大・石田洸介(1年)は3区もしくは4区での起用が濃厚だ。 箱根駅伝は10区間の長丁場だが、近年は終盤での大逆転は少なくなっている。前回の“ミラクル逆転劇“を除けば、2009年以降は8区終了時にトップの大学がそのまま逃げ切っている。 総合優勝を狙う大学は7~8区までに勝負を決めたいという考えが強くなっているようだ。一方、シード権争いは9~10区での順位変動が大きく、終盤2区間がポイントになる。また近年は気象予報会社と契約して、当日の気象コンディションを頭に入れながら区間配置を決めているチームもある。レース前日まで指揮官たちの区間配置をめぐる苦悩は続く。 (文責・酒井政人/スポーツライター)