ドイツ王者レバークーゼン相手に4発快勝! アーセナルは攻撃陣が爆発も、英国人記者が感じた物足りなさ【現地発】
「大きなピースが欠けている」
8月7日、私はエミレーツで開催されたプレシーズンマッチのアーセナル対レバークーゼンを取材した。 【PHOTO】2024年夏の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介! レバークーゼンは昨季のブンデスリーガ王者であり、昨シーズンはドイツで負けなしだった。今回の試合のチケットはプレシーズンマッチとしては珍しく完売となり、両チームへの関心の高さがうかがえた。 そしてアーセナルのミケル・アルテタ監督と、レバークーゼンのシャビ・アロンソ監督はよく似ている。彼らはともにスペイン人で、若く、需要がある。前者にはバルセロナ、後者にはリバプールやバイエルンから関心が寄せられており、ヨーロッパ有数の大物監督との呼び声も高い。 試合はアーセナルが開始8分にオレクサンドル・ジンチェンコの見事なミドルシュートで先制すると、その後もレアンドロ・トロサール、ガブリエウ・ジェズス、カイ・ハバーツがゴールを決めるなど攻撃陣が爆発。守備でも、後半に1失点したものの、ほぼ完璧な出来を見せた。 アーセナルは、今季こそプレミアリーグを制覇するという大きな期待を抱いているはずだ。過去2シーズンは、悲願のリーグタイトルまであと一歩のところまで迫った。 今夏にはリッカルド・カラフィオーリのような強力なDFを獲得しており、さらに競争力と選手層の厚みを増している。この補強はアルテタがいかに守備に重きを置いているかが分かる興味深い契約だ。 しかし、プレミアを制するにはジグソーパズルの大きなピースが、まだ欠けていると私は思う。マンチェスター・シティやリバプールを上回るには、最前線に新しいストライカーがどうしても必要だ。優勝するチームには、必ずゴールを量産できるFWがいる。 リーグ開幕まで10日を切ったが、アーセナルは残りの移籍期間で新戦力を迎え入れるのか注目したい。 文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ) 著者プロフィール スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。