「世田谷・横浜に家を買う人」の超残念すぎる深刻盲点 「たしかにイメージはいいけれど」本当に大丈夫?
住宅購入は人生で一番大きな買い物。それは令和の現在も変わらない。しかし東京23区では新築マンションの平均価格が1億円を超えるなど、一部のエリアでは不動産価格の高騰が止まらない。 不動産市場の変遷や過去のバブル、政府や日銀の動向、外国人による売買などを踏まえ、「これからの住宅購入の常識は、これまでとはまったく違うものになる」というのが、新聞記者として長年不動産市場を研究・分析してきた筆者の考え方だ。 新刊『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』では、「マイホームはもはや一生ものではない」「広いリビングルームや子ども部屋はいらない」「親世代がすすめるエリアを買ってはいけない」など、新しい不動産売買の視点を紹介。変化の激しい時代に「損をしない家の買い方」をあらゆる角度から考察する。 【書籍】「マイホームはもはや一生ものではない」「買ってはいけないエリアがある」など、「新しい不動産売買の視点」を紹介
今回は「エリア(地名)のイメージ」に左右されて不動産購入を決める危うさについて紹介する。 ■「世田谷、横浜がおしゃれ」は過去のイメージ 一般に、「家を買うなら地盤が強い土地がよい」などと言われる。 しかし、現実には東京の不動産開発はそれに逆らい、どんどん南進している。 さかのぼれば、江戸時代は護国寺界隈が歓楽街だった。 明治になっても繁華街といえば浅草あたりだった。 その後、東京の開発の中心は、新橋駅や上野駅、東京駅へ、そして現在は品川駅へと移っている。
文京区や新宿区、渋谷区、世田谷区などの「内陸の山の手が高級住宅地」という、極めて限定的な時代は終わりを告げたと言える。 23区の西端に位置する世田谷区は、現在も23区で最も人口が多いが、空き家数も全国の自治体でナンバー1だ。 「世田谷や横浜がおしゃれ」というのは、もうとっくに過去のイメージでしかない。 いつまでも過去のイメージにとらわれていては、不動産購入に失敗してしまう。 今から30年以上前のバブル崩壊後、筆者は今後「赤羽」の時代が来ると大胆に予想した。「シロガネーゼ」(港区の高級住宅地である白金台在住者)ならぬ、「アカバネーゼ」である。