「世田谷・横浜に家を買う人」の超残念すぎる深刻盲点 「たしかにイメージはいいけれど」本当に大丈夫?
そのため、総人口が減少していく時代において、都心の住宅地が爆上がりしても、そう簡単に郊外に大量の人口は逆流することはなく、人口が増えないのだ。 結果、郊外の土地や不動産の値上がりは限定的となる。 郊外で人気を保てるのは「徒歩圏のマンション」であり、「最寄り駅からバスで10分以上かかるような場所」は不人気のままだ。 しかも、若者、とくに独身者の都心志向は強く、郊外のバス需要は基本的に右肩下がりだ。
高齢化で通勤者が退職すれば、ますますバスの利用者は減っていく。 その一方、車の運転に自信がなくなり、マイカーを捨ててバスに乗る後期高齢者は増えるが、それでもバス事業の郊外の採算は改善しない。 私鉄が郊外の駅から「サービス価格」で出しているバス便は、今後需要者の減少に直面して、減便・廃止が進んでいく。 坂の上の住宅街で知られる横須賀市のほか、すぐ隣にある横浜市南部も、市営バスなど公営の交通機関の維持が住宅地としての地位を左右する。
住宅街の都外脱出も終わった。たとえば、横浜が「おしゃれで高級な人気住宅地」と言われる時代は、もう二度と来ないだろう。 ■横浜市の実態は「おしゃれなイメージ」とほど遠い 横浜市は再開発に巨費は投じるが、実際は財政難で、学費や子どもへの医療費支援、また公立中学校の給食事情なども東京より見劣りする 。 すでに横浜市南部は人口が減りつつある。人口低迷の時代に、通勤時間と交通費をかけてまで、「おしゃれな高級住宅街」だと横浜を選ぶ都民は増えないだろう。
横浜市の青葉区も、青葉のような若々しい新興住宅街として注目されたのはもう半世紀前後も前の話だ。 実際には坂が多く、最寄り駅からバス便を使うエリアも多いのだが、当時の「若々しい」「さわやか」のイメージだけが独り歩きし、いまだ修正できていない。 ほとんどの場合、家を買う側の消費者は、不動産マーケットの“素人”だ。 なぜなら、スーパーで野菜や肉を買うような頻度で家を買う人はいない。めったに買わないものだから、目が利かないのだ。