ハイレベルのJリーグに「黒船」到来…財政力もアップして「欧州5大リーグ」に迫れるか
ヴィッセル神戸「2冠」達成
2024年のJリーグは最終節で、ヴィッセル神戸が連覇を達成。同時に、天皇杯全日本選手権と合わせて「2冠」も成し遂げた。 シリア・アサド政権崩壊という“大どんでん返し”が起こった理由 優勝争いと同時に終盤戦で注目を集めるのが、J1とJ2、J2とJ3の間の入れ替えだ。下位3チームが降格し、3チームが昇格する。 さらに、今季はJ3リーグの下位2チーム「いわてグルージャ盛岡」と「YSCC横浜」がJリーグの会員資格を喪失。アマチュアの全国リーグ、日本フットボールリーグ(JFL)から「栃木シティ」と「高知ユナイテッド」が昇格。高知県から初めてJリーグクラブが誕生した。 Jリーグ会員資格喪失というのは1993年にJリーグが開幕して以来、初めての出来事だ。制度そのものは昨季に導入されていたが、昨季はJFLの上位を、Jリーグ入会資格を持っていないチームが占めたため「降格」は行われなかった。 JFLに降格すれば集客力も落ちるし、スポンサー離れもあるかもしれない。いわて、YS横浜の両クラブにとっては経営上の大ピンチでもある。
サッカーは“弱肉強食”の世界
野球では米国のメジャー(MLB)でも日本のプロ野球(NPB)でも、加盟球団の地位は保証されており、どんなに弱くても降格はない。いや、米国のウィーバー制ドラフトでは戦力均衡を図るために、下位球団から指名権が与えられる(もちろん、実際はドジャースやヤンキースのような金持ち球団が移籍で戦力を強化するのだが)。 だが、サッカーはJリーグでも、欧州の各国リーグでもまさに“弱肉強食”。名門チームであっても戦力が衰えれば下部リーグに降格し、いずれはプロの資格を失うことになるし、経営破綻すればクラブは消滅する。そして、新しいクラブが取って代わるのだ。 実際、Jリーグで連覇を達成した神戸も、Jリーグ発足後の1995年に産声を上げたチームなのだ。 さて、来季に向けて注目されるのが、J3で優勝してJ2昇格(復帰)を決めた「大宮アルディージャ」だ。さいたま市に本拠を置くクラブで、かつてはJ1で戦っていた時期もある。 大宮の前身は1969年に創設された電電関東サッカー部。民営化後はNTT関東となり、1999年のJリーグ入り後も、同グループが出資するNTTスポーツコミュニティ株式会社が運営に当たっていたが、2024年8月に同社が全株式をオーストリアに本社を置くレッドブルGmbHに譲渡したのだ。 Jリーグでは、従来外資によるクラブの保有を禁止していたが、この規定はすでに廃止されていた。