「S&P500」と「オルカン」を追う「インド株」と「高配当株」、インデックスファンドの新機軸は? =ネット証券の投信積立契約件数ランキング24年9月
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2024年9月のトップは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、第2位は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で前月と同じだった。第3位には前月の第4位から「iTrust インド株式」が浮上し、前月に第3位だった「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」は第4位に後退した。9月18日に新規設定されたばかりの「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」が第4位に食い込んだ。
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が圧倒的な存在感を発揮し、第1位と第2位の地位を盤石にしている。この他にも、第4位に「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」、第10位に「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」がトップ10に入り、代表的なインデックスファンドにおける「eMAXIS Slim」のブランドは確立されたように思える。
このため、「楽天・S&P500インデックスファンド」や「iFree S&P500インデックス」など、他ブランドのインデックスファンドは、徐々にランキングを落とし、ランキングから姿を消すようにもなってきた。ネット証券のように、多くのファンドを揃えている販売会社にとっては、同じインデックスファンドといっても、やはり、個人投資家が安心感を持って購入できるブランドがあるファンドが優先的に選ばれるということだろう。
代わりに、他のインデックスファンドのブランドで順位を上げているのは、今月は第4位にある「iFreeNEXT インド株インデックス」や新設ファンドの「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」など、代表的なインデックスファンドとは異なるプラスアルファの特長を持ったファンドになっている。もはや、「S&P500」も「全世界株式(オール・カントリー)」も、信託報酬は年0.1%を下回る水準にまで落ち込み、運用会社として収益を得るためには、数千億円という大型化しなければ旨味がない商品になっているといえよう。