前年比12%減の2379反 2024年の生産実績 本場奄美大島紬
鹿児島県奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合(黒田康則理事長)は2024年12月27日、本場奄美大島紬の2024年生産実績をまとめた。検査反数は2379反(前年比331反減)で減産率12・2%となった。黒田理事長は「需要はあるものの職人不足で作れていないというのが現状。長期的な視点で人材を育成していく」と話している。 24年の生産反数について、図柄の精巧さに関わる経糸(たていと)の密度「算数(よみすう)」別でみると、15・5算は1505反(前年比313反減)、13算は874反(同18反減)。男女別は男物223反(同71反減)、女物2156反(同260反減)だった。 染色材料別では、代表的な「泥」は1197反(同93反減)、藍染めを織り交ぜた「泥アイ」は16反(同83反減)、植物染液も使う「草木泥」は254反(24反減)、化学染料が912反(131反減)となった。 黒田理事長は「職人が不足している。作ろうという意欲はあるが工程のどこかの欠員がネックとなってこの生産実績になっている」と分析。今後の人材育成について「人材は集まるのだが、大量に採用しても一気に育成することはできない。少人数を大事に育てることが10年後の生産率に影響する」と話す。 来年の見通しについては「同様の傾向が続くことは免れない」としつつも「今は人材の入れ替わりの時期。これからも後継者の育成を重要な柱として取り組んでいく」と語った。