【バスケW杯】ベネズエラ戦23得点の比江島慎 大会前はし烈なメンバー争いも「最年長らしいプレーができた」
比江島選手は、今回のW杯メンバー入りに向け、プレースタイルも少し変えていきました。 元々、比江島選手はドリブルで中に切れ込んでいくドライブが得意な選手。独特なステップは“比江島ステップ”とも呼ばれています。 トム・ホーバスHCが3ポイントシュートをチームに求める中、「“比江島ステップ”でのドライブ」という武器を残しつつ、3ポイントシュートを磨いてきました。 実際に、国内のBリーグにおいて2022-23シーズンは、3ポイントシュートの確率が43.4%。これはリーグ全体では3位。日本人選手に限れば1位という結果を残しました。
■日本代表の引退も考えた33歳が挑むW杯「最年長らしいプレーができてよかった」
W杯が開幕する2週間前の8月11日に、33歳となった比江島選手。バスケ界でも、ベテランと言われ始める年齢になる中、「世界で1勝したい」という人一倍強い思いを持っていました。 日本代表は、世界の舞台へ挑戦すらできなかった時代が続きました。そして、13年ぶりに出場した前回の中国W杯、さらに東京五輪は、注目されていたものの、いずれも念願の1勝をあげることはできませんでした。 比江島選手は、日本代表の苦しい時代を長く経験しています。実は、東京五輪が終わり「もう日本代表は引退しようか」と考えていたと言います。それでも「世界で1勝したい」という思いから、最年長となった今も代表活動を続けました。 その中で迎えた今回のワールドカップ。日本はグループステージでフィンランドに悲願の1勝をあげると、さらに、2次ラウンドには進出できなかったものの、日本より世界ランク上位のベネズエラにも勝利しました。 その試合後、比江島選手は、「最年長でいろんな経験をしてきたので、ああいう苦しい展開というのは自分の経験も生きると思っていた。勝利に貢献できて、最年長らしいプレーができてよかった」と喜びを語りました。