夫婦生活のリアルとタブー。ごまかしきれなくなった“公認不倫”のほころび 『1122 いいふうふ』1~3話
渡辺ペコによる同名漫画が原作のドラマ『1122 いいふうふ』の配信が、Prime Videoでスタートした。主人公は、セックスレスで子どもがいない結婚7年目の仲良し夫婦・相原一子(高畑充希)と二也(岡田将生)。2人は円満な夫婦関係を継続するために不倫を公認する“婚外恋愛許可制”を選択する。第1話~3話では、夫婦間のごまかしきれなくなった様々なほころびが描かれる。 【イラストで見る】ドラマ『1122』
“婚外恋愛許可制”に一抹の寂しさを感じ始めた一子
夫婦とは自らの自由意志で選べる家族であると同時に、最も身近にいる他人とも言えるのかもしれない。第1話の冒頭で二也が言う「人んちのことは外からはわからないからね」が全てを物語っているように、結婚記念日をすっかり忘れてしまっている一子(高畑)に対して、その日をしっかり覚えており会社を休めるように事前に調整してくれるのが二也(岡田)だ。しかし、彼の方が不倫にお熱だったりする。 二也の不倫のきっかけは、セックスレス。その始まりは、一子からの拒否だった。二也からの誘いを断った際に、一子は「なくても良くない? セックスとか。家族なんだし」「家以外でなんとかできないかな?」と口走ってしまうのだ。一子には、二也の「心の折れる音」が聞こえたという。二也は、それから通い出した生け花教室で不倫相手の柏木美月(西野七瀬)と出会い、順調に愛を育んでいる。 自分に欲情してくれていた夫の目からその熱は冷め、別の人を捉えている。それでも“いい夫婦”は保てている。一子が望んだ通りの展開になったものの、話はそう単純ではない。 箱根の温泉に泊まった結婚記念日、自ら誘いをかけてみるも今度は二也から拒絶されてしまった一子は、そのブーメラン現象に大きく傷つき、これまで凪(なぎ)状態だと思っていた自身の性欲を自覚する。 きっと当初一子が二也に軽い気持ちで提案したのは、性欲のみを家庭の外で処理することだったのだろう。しかし嘘がつけず、そう器用ではない二也は、不倫相手の美月にがっつり恋愛感情を抱いている。 恋愛モード渦中にいる人特有のキラキラるんるんオーラがダダ漏れで、「家庭内に外の恋愛を持ち込まない」というルールを全く守れていない二也。しかし、一子は自分がそのきっかけを作ってしまった原因だという自覚があるからこそ、あくまで「ルールを破らないで」としか言えず、「嫉妬でもなければ、感情の問題でもない」などと自身に言い聞かせるかのように、物分かりがいいふりをしようと嘘を塗り重ねてしまう。夫婦って厄介だ。