高校駅伝、きょう号砲 男子は佐久長聖が有力、女子は3強で争い
男子第75回、女子第36回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催、SGホールディングス特別協賛)は22日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に男子が7区間42・195キロ、女子が5区間21・0975キロのコースで行われる。 【2024全国高校駅伝】女子出場校の顔ぶれ 今大会から男女とも都道府県予選を勝ち抜いた47校に加え、地区代表11校を合わせた58校が出場する。また、外国人留学生の起用は最短の3キロ区間に制限される。 21日は、かたおかアリーナ京都(京都市体育館)で開会式が行われ、各校のエントリー選手らが参加した。 全国高校体育連盟の鈴木康司会長は「全国から集まった高校生トップランナーがいかんなく力を発揮してほしい」とあいさつした。 前回の男子で優勝した佐久長聖(長野)の浜口大和主将(3年)は「今夏のパリ・オリンピックでは男女マラソンとも粘り強い走りで入賞し、感動した。私たちも仲間と協力し、最後まで諦めない強い気持ちで走り抜き、感動を与えられる走りをする」と選手宣誓した。 開会式の前には監督会議があり、オーダーが承認された。レースは女子が午前10時20分、男子が午後0時半にスタートする。 ◇男子展望 5000メートル13分台の選手を5人そろえる佐久長聖(長野)が優勝争いの最右翼にいる。本来の力を出せれば連覇が濃厚だ。 今大会の参加選手でトップの5000メートル13分31秒の記録を持つ浜口大和(3年)を1区、前回大会の5区で区間新記録を出した佐々木哲(3年)を3区に置く。2区で留学生を起用するチームが多いため、高見沢勝監督は「3区でトップに立ちたい」と話し、2時間1分台を狙う。 2年連続3位の八千代松陰(千葉)は長距離区間に走力のある選手がそろう。千葉県予選を大会新記録で制し、勢いもある。流れに乗るため、1区に全国高校総体の5000メートルで日本選手最高記録を出したエースの鈴木琉胤(3年)を起用した。佐久長聖の浜口との競り合いが予想され、鈴木は「自分が(ペースを)作り、楽しみながら2人で走りたい」と話す。 47都道府県の予選で最高タイムとなる2時間4分0秒を出した仙台育英(宮城)や九州地区大会で2時間3分25秒をマークした大牟田(福岡)も上位を狙う。仙台育英は近江亮と鈴木大翔の13分台を持つ2年生2人が中心で、大牟田は6位だった前回大会より後半区間にも力のある選手がいる。 ◇女子展望 女子は神村学園(鹿児島)、仙台育英(宮城)、大阪薫英女学院の「3強」を中心にした争いで終盤までもつれそうだ。 連覇を狙う神村学園はエースの瀬戸口凜(2年)をアンカーの5区に起用し、大逆転を演じた前回大会と同様に後半勝負をもくろむ。有川哲蔵監督は「前半10キロ(1、2区)は我慢」と話し、3区のムトニ・マーガレット(1年)に流れを変える役割を期待する。 仙台育英もエースの細川あおい(3年)をアンカーに置く。前回2区区間賞のデイシー・ジェロップ(3年)や長岡みさき(3年)ら経験豊富な選手をそろえる。過去2大会はアンカーで逆転されての2位だったため、細川は「三度目の正直で自分が必ず優勝のフィニッシュテープを切りたい」と雪辱を誓う。 大阪薫英女学院は5人中4人が3000メートル9分10秒台の自己記録を持ち、総合力が高い。安田功監督は「2区までで15秒のリードがほしい」と話し、1区の塚本夕藍(3年)で流れを作れれば8年ぶりの頂点が見えてくる。 2年ぶりの優勝を狙う長野東は川上南海、今井玲那の1年生2人に勢いがある。前回3位の立命館宇治(京都)、800メートル日本記録保持者の久保凜(2年)を擁する東大阪大敬愛も上位をうかがう。【荻野公一、皆川真仁、高橋広之】