ECB年次銀行評価、レバレッジリスクで13行に資本増強求める
[フランクフルト 17日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は17日、ユーロ圏の銀行に関する年次評価を公表した。13行が吸収できる以上のリスクを抱えている可能性があると指摘し、レバレッジ比率要件を満たすために資本を積み増すよう求めた。 この数は昨年の2倍で、10─40ベーシスポイント(bp)相当の上積みが必要とされた。レバレッジ比率は銀行の総資産に対する中核的自己資本の割合を示す。 また、未回収の融資に対する引当金が十分でないと判断した18行に資本増強を求めた。昨年の20行から減少した。 さらに9行は、「レバレッジドファイナンス」へのエクスポージャーに対し資本の上積みを求められた。 しかしECBは監視対象である113行について、「平均すると、銀行は規制上の要件を大幅に上回る強固な資本と流動性を維持している」と評価した。 ECBのブッフ銀行監督委員長は、「欧州の銀行の資産の質は良好だ。自己資本は総じて強固で、収益性も優れ、欧州の家計や企業にとって信頼できる資金供給と金融サービスの提供元となっている」と指摘した。 ECBは来年、地政学的変化と経済の低迷から生じるリスクに焦点を当てて監督業務を行う予定。 「地政学的リスクは顕在化するまで金融市場に織り込まれないことが多く、突然のリスクの再評価が起き、流動性リスクが高まり、さらなる損失につながる恐れがある」と警告した。 「実体経済に関しては、企業のコスト上昇や世界貿易の混乱が信用リスクを高める可能性がある」との見方を示した。