JAL出資の米ブーム、超音速実証機XB-1がマッハ0.87記録 飛行試験9回目
超音速旅客機「オーバーチュア(Overture)」を開発中の米ブーム・スーパーソニック(Boom Supersonic、本社デンバー)は、技術実証機「XB-1」(登録記号N990XB)の9回目となる飛行試験で、過去最高のマッハ0.87(約1037キロ)と高度2万7716フィート(約8448メートル)を記録し、55分強飛行した。 【写真】飛行試験でフライトするブームの超音速実証機XB-1 9回目の飛行試験は、これまでと同じカリフォルニア州のモハベ(モハーヴェ)空港・宇宙港で現地時間12月13日に実施。今回の試験で、XB-1はボーイング787型機の最高速度マッハ0.9やエアバスA350型機のマッハ0.89に近い値を記録した。 また、修理後に再設置されたFES(フラッター励振システム)は、正常に動作したという。XB-1は、超音速に達するまでに10回の亜音速飛行を予定している。 実証機のXB-1は2人乗りで、主翼の形状はデルタ翼を採用し、エンジンは既存のGE製J85-15が3基。アフターバーナーを使ってマッハ2.2(時速換算2335キロ)の実現を目指す。ブームは、XB-1で超音速飛行の技術を検証し、同社初の超音速旅客機であるオーバーチュアの開発につなげる。 オーバーチュアはエンジンが4基となり、アフターバーナーを使わずに現在の民間航空機の2倍となる速度を実現し、マイアミからロンドンまで5時間弱、ロサンゼルスからホノルルまで3時間で結ぶ。 ブームには日本航空(JAL/JL、9201)も出資しており、実際に量産するオーバーチュアは、ユナイテッド航空(UAL/UA)などが発注している。
Tadayuki YOSHIKAWA