岡山大、研究費2145万円は不正受給と認定 がん治療に関する論文捏造の元教授
岡山大は11日、2019年に国際科学誌で発表したがん治療に関する論文で捏造(ねつぞう)が認定された元男性教授=懲戒解雇=について、関連する研究で日本医療研究開発機構(AMED、東京)から受け取った研究費2145万円は不正受給に当たると発表した。 23年12月にAMEDから岡山大に調査の依頼があった。外部の大学教授や弁護士らを含む委員7人が24年3~8月に研究「次世代がん医療創生研究事業」の提案書などを調査。提案書が不正とされた論文を基に作成され、審査にも影響を与えた可能性が極めて高いと結論付けた。AMEDには9月26日付で回答した。返還請求があれば、岡山大が返還した上で、元教授に償還請求をする可能性があるとしている。 論文は自律神経ががんの増殖や転移に関与していることを動物実験で突き止めたとする内容で、23年に岡山大が実験データや画像などの捏造が100カ所以上あったと発表した。元教授は今回の調査に対し「論文に不正はなかった」と否定しているという。