兵庫県知事選で“議員辞職”も…SNSなどで真偽不明の情報や“誹謗中傷”相次ぐ【#みんなのギモン】
近野解説委員 「ネットメディアに詳しい国際大学の山口真一准教授は、『今回の選挙でさまざまな真偽不明情報が拡散されたのは間違いない』とした上で、そうした情報は『政治に興味のない層、普段投票に行かない層に特にささりやすい』と分析しています。さらに『法律の定めもあって、公平性を保つために選挙が近くなるほどに特定の候補や陣営を大きく扱う報道はテレビや新聞はできなくなってくるが、SNSは自由に言いたい放題』『SNSでの情報量が増えることによって、有権者がそれらに触れて今回の選挙に関心を持って、それらの情報の中で斎藤さんが正しいと思って投票した人もいただろう』ということです」 「今回に限らず、選挙が近づいた時にどんなふうに報道していくかについては、私たちも重い課題を突きつけられた形です」 森圭介キャスター 「情報源が増えたので、自分が信じたいものが事実だと思うという人が増えているということですね。だからこそ、その情報が本当に真実なのかという判断は、自分自身で鍛えていかなければならない時代になってきましたね」
■実績評価して投票した人もいた一方で課題も…
近野解説委員 「今回は真偽不明の情報がいろいろある中で、選挙戦では例えば、県立大学の無償化など『若者を応援する政策に期待して投票した』と話す人もいますし、『知事報酬のカット』『県職員OBの天下り廃止』など、これまでの知事の実績を評価して投票したという方も多かったと思います」 「一方で課題が残っていることも事実です。兵庫県の元・幹部職員が文書で告発したパワハラなどの疑惑について百条委員会の調査は続いています。来週25日に行われる証人尋問では、それらの疑惑や公益通報者保護などについて尋問を行うために斎藤知事に出頭を求めることを決めました。ただ、19日の知事の会見によると、この日は全国知事会が東京であるため、出席が難しいことを議会事務局に伝えたといいます。別の機会でもしっかり対応したいと話していました」 鈴江奈々キャスター 「今回の知事選挙でも、一人ひとりが発するSNSでの言葉の力がいい面でも悪い面でも明らかになった選挙だったと思うので、私たちも考え直すきっかけにしたいですね」 近野解説委員 「本当なのか虚偽なのか、見極められない情報を世の中から全部なくすことはできません。だからこそ、選挙のような対立・敵対の構図では特によく吟味していく必要があります」 (2024年11月19日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】 身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)