新基準バット導入のセンバツ高校野球。注目選手は? 優勝候補は? 今年はプロ注が目白押しだ!!
■国際色豊かな強打者と珍しい両投げ選手 新基準バットが導入されるとはいえ、甲子園で特大アーチをかける可能性を秘めた打者ももちろん存在する。特に国際色豊かな強打者をふたり紹介しておきたい。 豊川(愛知)の主砲を務めるモイセエフ・ニキータは、ロシア人の両親を持つ。身長180㎝、体重82㎏の均整の取れた体つきで、昨秋の東海大会では打率.625をマークした。 高校通算本塁打数は13本と驚く数字ではないが、中学時代から体重が16㎏も増えて別人のようにパワーアップ。高卒でのプロ志望を表明しており、今春のセンバツは大きなアピールの場になる。 なお、両親と会話する際はロシア語を使うものの、日常会話は日本語を使っている。チームメイトからは「ニキータ」もしくは「モイセ」の愛称で呼ばれているそうだ。 大阪桐蔭にはスリランカ人の両親を持つ、ラマル・ギービン・ラタナヤケというスラッガーがいる。愛知湊ボーイズに在籍した中学時代には通算50本塁打を放ち、争奪戦の末に大阪桐蔭に進学。昨秋までに通算28本塁打を放ったパンチ力は、インパクト十分だった。 ただ、西谷浩一監督から「練習ではもっとすごい打球を見ている」と評されているように、公式戦で実力を出し切れているとは言い難い。昨秋は課題の三塁守備で拙守を見せただけに、今春に課題を克服できているのか見ものだ。なお、名古屋で生まれ育っているため、使える言語は日本語のみだという。 実力と話題性を兼ね備えた有望選手といえば、大阪桐蔭の中心選手である徳丸快晴も欠かせない。徳丸は1年秋から名門の3番に座る強打者であると同時に、「両投げ左打ち」という歴史的に稀有なプロフィールの持ち主だ。 野球を始めた幼少期から「右も左も違和感なく投げられた」という。小学生時は右投げの内野手としてプレーし、小学5年時に右ヒジを痛めた時期に左投げを本格化。中学時代にはサウスポーとして最速129キロをマークしたこともある。 現在は内野を守る際には、小学生時から慣れ親しんだ右投げでプレー。外野を守る際には、遠投距離が長い左投げで出場している。公式戦ではほとんど外野手として出場しているものの、本人は内野守備についても「ショート以外なら練習すればできます」と事もなげに語る。 大阪桐蔭は昨秋の明治神宮大会で内野守備が乱れて初戦敗退に終わっているだけに、テコ入れとして徳丸が内野を守る可能性もあるだろう。 ほかにも強肩強打の好素材捕手である箱山遥人(健大高崎/群馬)。右のスラッガータイプの武田勇哉(常総学院/茨城)、髙橋徹平(関東一)。昨夏の甲子園から鋭い打球が目を引いた正林輝大(神村学園/鹿児島)もセンバツで要注目の野手だ。