「全校生徒の投票先、実は〝筒抜け〟になってます」生徒会選挙で驚きの事実 「投票の秘密」の侵害、教育デジタル化が招く
一方でアプリには教員らの負担を減らす効果もある。利用しながら投票の秘密を守れればいいという指摘もある。 自治体などでのインターネット投票の普及に向け、投票システムの研究開発に取り組む「スパイラル」(東京)の事業責任者市ノ沢充氏は、生徒会選挙といえども投票内容を匿名化する機能を実装するのが望ましいとの立場。実装するまでの次善策としてこんな形式を提案している。 「生徒でつくる選挙管理委員会や第三者がアプリの開票に立ち会うなどし、教員による操作を監視すれば、『投票の秘密』を守れるのでは」 盛山正仁・文部科学相はこの問題について、10月の記者会見でこんな見解を示した。「選挙は公平性や生徒のプライバシーに配慮して実施されることが重要だ」 大分市の足立信也市長も問題発覚を受け「あってはならないこと。教員は選挙の意義や公正性を教える立場なのに残念だ」などと批判。「投票行動まで分かってしまうとなると、そこに引っ張られて公正な選挙にならない」
問題発覚を受け、大分市教育委員会は「投票の秘密」が守られる形で選挙を行うよう、市内各校を指導している。