頼清徳総統（西見由章撮影）

【台北＝西見由章】中国大陸での国共内戦末期の1949年10月、福建省沖の金門島に上陸を図った共産党の中国人民解放軍を国民党軍が撃退した「古寧頭戦役」から75年となった25日、台湾側の記念行事が現地で開かれた。頼清徳総統は中国の統一圧力を念頭に「心を一つに団結さえすれば脅威に対抗できる。信念を固めさえすれば必ず郷里は守れる」と演説した。 【比較してみる】中国と台湾の軍事力 頼氏は、共産党による台湾支配を防ぐことにつながった古寧頭戦役について「われわれが国を守る決意の表れだ」と主張。「民主主義と自由は当然のものではなく、何代にもわたり共に努力し守らなければならない」とした上で「いかなる外部勢力も台澎金馬（台湾が実効支配する台湾本島と澎湖諸島、金門島、馬祖列島）の未来を変えることはできない」と強調した。 頼氏は東アジア情勢を巡り「北朝鮮がロシアに部隊を派遣した事実は、全体主義が引き続き協力を拡大していることを表している」と警戒感を示し、揺るぎなく「民主主義」「自由」「国家」を守ると訴えた。 また「台湾海峡の平和と安定という現状を維持する努力」を堅持すると改めて表明した。 頼氏は今年8月にも、金門を舞台に中台が激しい砲撃を行った1958年の「金門砲戦」（第2次台湾海峡危機）発生から66年となるのに合わせて現地で開かれた行事に出席し、「共産党の統治は受けない」と強調した。