テレビ朝日が入手したのは強盗事件の現場となった被害者宅の内部写真。荒らされた室内では、金庫がこじ開けられ、預金通帳が散乱し、その横にはハンマーも確認できます。千葉県市川市の事件で被害にあった女性の母親が、私たちの取材にその恐怖を語りました。（10月19日OAサタデーステーション） ■千葉・市川市の強盗事件　被害者宅内部を同行取材 千葉県市川市で起きた緊縛強盗事件。19日、被害女性の親族の許可を得て家の中に入ることができました。そこには事件当時の生々しい痕跡が… 被害女性の弟 「ここが、姉が寝ていた部屋ですね、物色された跡というか、これね、血痕が残っていた色々と引っかき出されていて…」 （Q．銀行の封筒が床に落ちていますね） 被害女性の弟 「いろいろもう全部、財布を見られてカードが抜き取られて…」 今は片付けられていますが、1階のリビングにある窓ガラスは割られたそうです。 事件直後に撮影された15枚の写真をみると、部屋の至るところが荒らされ、ハンマーや粘着テープが残され、金庫は破壊されていました。事件が発覚したのは、17日の午前7時ごろ。現場は自宅の2階で、住民の50歳女性が就寝中に3人の男が侵入。女性は暴行を加えられ、粘着テープのようなものでグルグル巻きにされたといいます。 被害女性の母親（72） 「まず『金出せ、金出せ、金出さないと殺すぞ』と叩かれた、あばらを折って、骨折したりして…」 実行役はこの家から携帯電話やクレジットカードなどを奪い、女性を車で連れ去りました。 女性は、その後、およそ50キロ離れた埼玉県川越市で保護。全身打撲のほか、肋骨や手の骨を折る重傷です。 被害女性の母親（72） 「（娘を）迎えに行って顔を見てビックリした。手が骨折しているし、腫れている、ごめんねとしか言えなかった。1人にして娘があなた（母）がいなくてよかった。あなただと死んでいたかもしれない」 ■15枚の現場写真から見えてきた“犯人像” 元神奈川県警捜査一課長の鳴海氏は、これらの写真には、素人の犯行とみられる形跡が数多くあると指摘します。まずは「出窓からの侵入」です。 元神奈川県警捜査一課長　鳴海達之氏 「これはちょっとすごいね出窓。これが侵入口ですかね。侵入するのには出窓あまり使わない」 理由は、高い段差がある出窓からの侵入は、踏み台のようなものが必要になる可能性あるためだと話します。その窓を外から見てみると。 元神奈川県警捜査一課長　鳴海達之氏 「こんなに割ったらすごい音しますよこれ、素人だね、とんがってるガラスがあって ちょっと足触ればすぐ怪我して血が出ちゃうからね。それでも入っていくんだねやっぱり…」 「これハンマーだね、これは粘着テープですかな、これもハンマーだ、オレンジのやつもハンマーでこれもう曲がっていますよね。頭が曲がってる、多分これで金庫の扉をこじったんじゃないかな」 ■犯行グループの全体像は？ 気になるのは、犯行グループの全体像。市川市の事件では、少なくとも3人の姿が現場付近の防犯カメラに捉えられていました。これまでに逮捕されているのは実行役とみられる藤井容疑者と高梨容疑者の2人です。8月以降、関東で相次ぐ強盗事件。これまでに14件発生していますが、このうち、高梨容疑者は2件、藤井容疑者は3件に関与した疑いがもたれています。実行役が複数の事件に関与しているとすれば気になるのは、その指示役です。 元神奈川県警捜査一課長　鳴海達之氏 「指示役をしている人たちが複数いる、そういった犯罪グループなんだと思いますね。この犯罪グループというのは、応募してきた実行役に対しては恐怖で縛り付ける。なにかあったら危ないよ、家族危ないよって脅しでがんじがらみに縛り上げて100％自分たちのいうことを聞かせる」 ■事件前に“不審な訪問”…指示役が下見の可能性も 藤井容疑者が関与した疑いがある横浜市青葉区の強盗殺人事件では… 報告・小山颯ディレクター（19日　横浜市青葉区） 「こちら現場周辺の住宅街では、1カ月くらい前から不審な訪問や不審な電話が相次いでいることが警察の調べで分かりました」 「不用品を買い取りたい」「下水道を確認したい」などの不審な訪問や電話が17件確認されたということです。下見に来るのは、実行役よりも指示役に近い人物が多いと、鳴海氏は指摘します。 元神奈川県警捜査一課長　鳴海達之氏 「犯行に及ぶには、現場に行って実際対象の家を見て、周りの環境をみて人の出入りがどうだとか、ここから入った方がいいとかいうものを自分たちが見てきてそれを指示する（下見は）指示役に近い人がするんでしょうね。問題は指示役以上の連中、この人たちは人権も無視、法も無視、反社会性的な連中がいるのかな、そんな犯罪集団なんだと思う」