大学の不祥事、倒産、オンライン大学創設……いま職員の世界に激震が起きている!
◆組織が巨大になるほど、マネジメントは難しく ――日大と言えば、国内で最大の学生数を抱えるマンモス私学ですね。 日大の内情を詳しく知るわけではないので、あくまで一般論にはなりますが、当然のことながら組織が巨大になればなるほど、マネジメントは難しくなるはずです。日本大学は抱える学生数が日本一であることに加えて学部の数も多く、各学部のキャンパスが全国各地に分散して存在しています。その上、個々の学部が一般的な単科大学に匹敵する規模や伝統を持っていますね。それぞれの学部が抱える事情も、学生や教職員達の想いや悩みも多様でしょう。そのような事情もあり、日本大学では学部ごとに独立して物事を決定するような場面が、他大学に比べて伝統的に多いのではと思います。 加えて今回はアメフト部という、各学部からもまた独立した、競技スポーツ部という組織の中での不祥事ですね。学部よりもさらに、ガバナンスが届きにくい場になってしまっていたのかなと想像します。日本大学が多種多様な組織を抱える巨大組織だからこそ、こうした問題が起きやすかったのかと言えば……確かにその一面はあるかも知れません。 ただ、教職員が多くても問題がない大学はありますし、小規模でも学内で揉めてばかりという大学だってあります。経営状況が不安になれば、どんな大学でも様々な問題は発生するでしょう。教職員の規模よりも、リーダーシップやガバナンスのあり方、積み上げられてきた組織風土、そして経営状況などの方が、どちらかと言えば重要なのではないでしょうか。
◆経営の先行きが見通せていない小規模大学 ――話は変わりますが、他方で定員割れをして小規模な大学が、とりわけ地方で目立ちます。 一般論として、大規模な大学は経営が比較的安定しています。抱える職員も多いため、組織は業務領域ごとに細分化され、様々な意味で「お役所的」になる傾向が見受けられます。 一方、学生定員が小さい大学では職員の数も少なく、場合によっては一人の職員が様々な役割を担っていることも。職員一人ひとりに裁量があるとも言えますが、「余裕があまりない」と言えなくもありません。学生募集に苦慮されている大学の中には、経営の先行きが見通せていないところもあるようです(もちろん、順調な小規模大学もたくさんあります)。 一言で「大学」「大学職員」といっても、実情は本当に多様です。職員組織のあり方も同じです。
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