【UFC】強くなるためには──ディエゴ・ロペス「キャリア初期の連敗で気付いた」、ジャスティン・ゲイジー「競うことを愛せないと」
2024年11月23日(土)に中国・マカオ のギャラクシーアリーナにて『UFC Fight Night Macao: Yan vs. Figueiredo』(U-NEXT配信/UFC Fight Pass配信)が開催された。 【写真】ホロウェイと魂の殴り合いを繰り広げたゲイジー メインイベントの「UFC世界バンタム級選手権試合」でピョートル・ヤン(ロシア)がデイブソン・フィゲイレード(ブラジル)との5Rのタフファイトを制した夜、プレリミナリーでは、『ROAD TO UFC 2024』の三階級の決勝が行われ、韓国のユ・スヨン、チェ・ドンフン、中国のシー・ミンが優勝。UFCとの契約を獲得した(※フェザー級決勝は延期)。RTU出場までの厳しい戦いを経た上で、RTUでも3試合を勝ち抜き優勝した3選手はいかに戦ったか。 【プレリム】 ▼『ROAD TO UFC 3』バンタム級トーナメント決勝 5分3R(※試合リポート) ×バーエゴン・ジェライスー(中国)18勝6敗(UFC0勝1敗)RTU2度目の挑戦 135lbs/61.24kg [判定0-3] ※27-30×2、28-29 〇ユ・スヨン(韓国)14勝3敗(UFC1勝0敗)元DEEPバンタム級王座、BLACKCOMBAT同級王者 135.5lbs/61.46kg ※スヨンがバンタム級優勝、UFCと契約 ▼『ROAD TO UFC 3』フライ級トーナメント決勝 5分3R(※試合リポート) ×キルー・シング・サホタ(英国)12勝3敗(UFC0勝1敗)BMFライト級王者 126lbs/57.15kg [1R 2分36秒 KO] 〇チェ・ドンフン(韓国)9勝0敗(UFC1勝0敗)125.5lbs/56.93kg ※ドンフンがフライ級優勝。UFCと契約 ▼『ROAD TO UFC 3』女子ストロー級トーナメント決勝 5分3R(※試合リポート) 〇シー・ミン(中国)17勝5敗(UFC1勝0敗)115.5lbs/52.39kg [3R 0分46秒 KO] ×フォン・シャオツァン(中国)10勝3敗(UFC0勝1敗)115lbs/52.16kg ※シー・ミンが女子ストロー級優勝。UFCと契約 【延期】 ※『ROAD TO UFC 3』フェザー級トーナメント決勝 5分3R シエ・ビン(中国)13勝4敗(UFC0勝0敗) RTU2度目の挑戦 ズー・カンジエ(中国)20勝4敗(UFC0勝0敗) ※カンジエが負傷欠場で試合は延期に また、同大会でゲストファイターとしてマカオを訪れたディエゴ・ロペスと、ジャスティン・ゲイジーがU-NEXTのインタビューに、どのように強さを得たかを語っている。 ロペスは、19歳からメキシコに移住。2023年5月に直前の代役出場でUFCデビューし、当時無敗ランカーのモフサル・エフロエフに判定負けも打撃、サブミッションで追い込みインパクトを残した。そこから5連勝。2024年9月の前戦ではフェザー級3位のブライアン・オルテガに大差の判定勝ち、試合後にはタイトル挑戦をアピールしている。 今回のインタビューでロペスは、キャリア初期の連勝からの連敗がいまの自身を作ったと語る。 ◆ロペス「一貫していること」 ──『ROAD TO UFC』の意義をどう考えますか。 「すごく大事だなって思ってる。以前はそれぞれの国や地域の団体で頑張ってUFCで戦えるチャンスを模索していたところを、今はこういう『ROAD TO UFC』のようなイベントがあることでアジアから多くの選手が集まって、今やものすごく大きく広がりを持っているし、それから『DWCS』や『TUF』もあったりして、若手の道を拓く取り組みが素晴らしいと思う。各地域で勝ち上がって見つけてもらうしかなかったところを、今やRTU、DWCS、TUFと、いろんな枠組みがあって若手の有望株が一同に集まって、そこで鎬を削ることが、UFCへの道に繋がってるからね」 ──今回残念ながら日本人選手は決勝に残れませんでした。強さを求め、UFCとの契約を目指す若手にアドバイスをするとしたら? 「一貫していること、それに尽きるかな。起きているプロセスを信頼してほしいってことだよ。というのも、自分的に“準備は整った”と思う時ってしばしばあるけれど、かといってチャンスが来たとしても負けて終わることもある。だから落ち着いて“全ては起きるべきときに起きる”ってことに気持ちを持っているといい。そういう心持ちでとにかく考えて練習を続けること。練習は裏切らないよ」 ──ちなみに、ロペス選手自身はどうやって強くなり今のポジションまで辿りつきましたか。 「ちょっと、その問いへの答えとしてはおかしいかもだけど(キャリア4戦目からの)初めての連敗を味わったことで復活できたんだ。2連敗したことで、気付けたことがある。“何がしたかったか忘れてただけなんだ”って。“自分がやりたかったことなんだから続けるんだ!”っていうこと。自分がやりたかった、やりたいことを追い求めてそれを手に入れていくんだと、その2連敗を喫して“いや自分の人生で、これがやりたかったことだろ”って(再確認した)。 それは多くの努力と犠牲の先にこそあると」 ──UFCファイターであることの意味は? 「その2連敗から10年近く経って今ここに自分はいる。すごく大切な意味を持っているんだ。『夢を叶える』ということの体現だから。その夢は自分だけのものじゃない。兄弟の夢であり、父子の夢なんだ この夢を掴むチャンスを得られなかった彼らとそのチャンスを手にした僕とのね。だからすごく大切に思っていて、10年前に地元のマナウスから出て家族の元を離れて、夢を追いかけた。家族に約束したんだ『やり遂げる』と。それがあっての、今だからなんだ」 ──今回はゲストファイターで会場にきていますが、対戦相手が決まっていないときの練習は? 「ルーティンは普通で、常に1日にトレーニングセッションを2回やるようにして、午前中はMMAの練習、夜練は柔術のトレーニングをしている。いつもアクティブな状態っていうのが日々のルーティンかな。それで試合が決まったら、1日のトレーニングセッションにもう1つ追加するようにしている」 ──試合が決まると対策練習も含め3部練習になるということですね。最後に日本のファンにメッセージを。 「日本の皆さん、応援ありがとう。僕の出身地のブラジルのマナウスには日本コミュニティがあって日本から来た人たちとたくさん接してきたんだよ。だから日本のカルチャーへの想いがある。皆さんの応援への感謝の気持ちを伝えるとともにみんなと会える日が来たらいいなって思っています」