【UFC】強くなるためには──ディエゴ・ロペス「キャリア初期の連敗で気付いた」、ジャスティン・ゲイジー「競うことを愛せないと」
◆ゲイジー「世界中の人にインスピレーションを与えたい」
ジャスティン・ゲイジーは2022年5月にチャールズ・オリベイラのライト級王座に挑戦。ダウンの応酬の末、最後にチョークで逆転負け。その後フィジエフに判定勝ち後、ポイエーとのBMFタイトル戦では1R打撃で押される展開から、2Rに右ストレートからの右ハイでKO勝ち。4月にはマックス・ホロウェイとマット中央での魂の殴り合いで4R、残り1秒でKO負けを喫している。 NCAAディビジョン1でオールアメリカンレスラーでありながら、殴り合いを求めるゲイジーは「戦いは俺たちの最も根源的な本能的なこと」と語った。 [twitter:1860235097116491812:embed] ──『ROAD TO UFC』の意義をどう考えますか。 「巨大なプラットフォームで、ワールドワイドなスポーツでアメリカから遠く離れれば離れるほど、より有名でみんなが知ってくれてるって実感するものだ。世界中から人が集まっているし、やっぱり『DWCS』にせよ『TUF』にせよ、大きな違いを感じるのは、“誰が一番強いのか”っていうことを世界中から最強の選手をかき集めて見極められるところだよな。そいつらの試合をこういう場で観るまで、ほとんど誰もその選手を知らないっていう。UFCがそうやって世界のみんなに自分のスキルを見せつけられる場を用意していることは素晴らしいと思うよ」 ──今回残念ながら日本人選手は決勝まで残れませんでした。UFCとの契約を目指す若手にアドバイスをするとしたら? 「めっちゃしんどいよな、強いられることが……、つまり、つまりさ、俺の人生なんて孤独で退屈なもんだよ。でもこの2つと付き合ってかなきゃいけないんだ。いろんなことを犠牲にしなきゃならないんだよ、頂点に辿りつくためにはさ。そりゃそうだよね、世界中から最強と言われる人間が集まってきて、自分が持ってるものを奪おうとしてくるんだからさ。みんな言うだろうさ。『不可能だ』『トップになれるのは、100万分の1のひと握りだ』とかさ。でもそうならなくてはいけないから。そういう人間に、誰よりも優れた人間になれるように誰よりも努力しなくちゃいけない。あとは競うってことを愛せないとね。争うこと、奪い合いを愛せて、負けるのは大嫌いであれって感じかな」 ──ちなみに、ゲイジー選手自身はどうやって強くなり、今のポジションまで辿りつきましたか。 「俺は遺伝子に恵まれてて、両親ともに優れた遺伝子を持っててくれて、俺、本当に骨密度が高くて、骨の硬さは親父ゆずり。母ちゃんからはメキシカンのファイティングスピリットを受け継いでる。あとは4歳からレスリングやって、ずーっと同じことやり続けていたから、ハードワークが功を奏した。授かりもの、両親から受け継いだ愛と屈強な骨だ。それがあったうえでのハードワークがものを言ってる」 ──UFCファイターであることの意味は? 「UFCファイターであることってやっぱりデカいんだよ。俺は人助けのために福祉の学校に通ったりもしたが、それで、へんな話、世界中の人にインスピレーションを与えたいっていう。暴力的だって思う人もいるんだろうけど、俺はスポーツだと考えているし、やりたいことっていうのが、そういうインスパイアするっていうことだから、こういう場でずっとそうしたいと思ってた。UFCにいることでそうあれることが良いんだよ。それからやっぱり、家族や故郷を代表していること。そういうことがすごく特別なんだ、自分にとって」 ──今回はゲストファイターで会場にきていますが、試合がない時の練習は? 「試合が決まると12週間、週に6回1日3時間。いまは1日に1回のワークアウト。あとは食事面をヘルシーに保つことを気をつけていて、自分の身体に良くないものは摂らないようにして身体をしっかり休める。休むのは大事。あとは大好きなゴルフをやりつつ、自分の練習仲間の背中を押すことかな。チームメイトたちも試合があるから、そういう感じでいつもみんなといるんだ」 ──日本のファンにメッセージを。 「いいか、戦うことってのはさ、つまりこの競技がなんでこんな素晴らしいかというと、誰もが共感できるからだ。戦うことって俺たちの最も根源的な本能的なことだろ? ありがたいことに人類は時間をかけて戦わずに生きる術を知ったわけだけど、俺の試合を見ろよ。オマエらのケダモノの本性を呼び覚ましてやるよ、オマエらが欲してるようなものをさ」 ──今、戦うという本能的な醍醐味を語っていましが、1競技として他のスポーツと比べてMMAの魅力とは? 「UFCを他のフットボールやら野球やらサッカーと比べると後発だから、まだまだ競技でいえば新参者だけど、すごいクレイジーな勢いで急成長を遂げてきてるから、いつか……いつになるかは分からないけど、サッカーすら超えて世界で最もポピュラーなスポーツになるさ」