1年前に急逝した寮母とともに夢舞台へ…「おばちゃんのために絶対に勝とう」松本国際が春高バレーで大きく成長した姿を見せる!
1月5日(日)に開幕する、春の高校バレー2025。 激戦を勝ち抜き「高校バレー日本一」の栄冠を手に入れるのは、果たして…。 大会に出場する104校の中から、春高バレー2025の注目校をピックアップ。 今回紹介するのは、長野代表・松本国際。 【画像】長野大会決勝・松本国際の応援席に掲げられた遺影
県予選・決勝に掲げられる遺影
2年ぶりの春高バレー出場を決めた、松本国際。 歓喜に沸く応援席には、ある人の遺影が掲げられていた。 「おばちゃん、勝ったよー!」 キャプテンの小林智哉(3年・セッター&オポジット)が、試合後のインタビューでその遺影を持つなど、チームと深い関係を持つ人物。 選手から“おばちゃん”の愛称で慕われた、壬生(みぶ)智子さんである。
選手を支え続けてきた「おばちゃん」
ある日の男子バレー部・寮の食堂。 壬生智子さん: 「どうだったんですか、今日は。 疲れてボロボロで壊れちゃって、大丈夫?」 食事中の選手たちに明るく話しかける“おばちゃん”。 気恥ずかしそうに素っ気ない返事をする選手との様子は、まさに親と子の関係のようだ。 夫の義文さんが監督を務めた岡谷工業、松本国際の前身・創造学園と、実に40年に渡って寮母として10回の日本一に貢献してきた。 壬生智子さん: 「主人と一緒にただ勝ちたい、その一心だった。 こういうことをしないと、いい選手に集まってもらえない。強くなるにはこうやって自分のところに預かってやるしかない」 現・松本国際監督で息子の裕之さんは、寮母である母をこう語ります。 壬生裕之監督: 「(母は)私生活の乱れがコートに出てしまうという考え方。 競技を通じて『ちゃんと人間性も』と思っていたので、寮で生活の部分に関して厳しくやっていた。厳しいですよ。普通の優しいお母さんじゃないです。 勝つことに必要なことをずっとやってきたという感じ。 そこに温かみがある。“肝っ玉母ちゃん”みたいな人」
「おばちゃん」との突然の別れ
2024年は春高バレー出場を逃し、新チームで再び全国を目指す中、突然の不幸が。 1月26日、脳動脈瘤の破裂でそのまま意識が戻らず、帰らぬ人となった。 突然の別れに、選手たちは…。 小林: 「寮に帰ってくれば、“おばちゃん”が笑顔で迎えてくれた。 生活面では“常に部屋をキレイにしろ”と言われてきたのが一番印象に残っている」 山田丈琉(3年・ミドルブロッカー): 「試合中も応援席から絶対に声をかけてくれた。 自分たちが力をちゃんと発揮できるように、優しい言葉だったり、アドバイスをしてくれていたので心強かったです」