脳科学者が語る「誰もが“老害”になる」悲しき必然 自分もすでに「老害脳」化が始まっているかもしれない
また、もしかすると「老害」とは、日本における年功序列的な文化が背景にある現象なのかもしれません。 日本社会では、年齢や肩書きを重んじる傾向が強いために、言っていることの正しさや議論の大切さよりも、集団の秩序を重視するあまり、遠慮や忖度、そして「出る杭を打つ」行為がまん延しかねません。ここに、「老害脳」を放置し、悪化させてしまう温床があるのかもしれません。 ただし、自分の「老害脳」化を過剰に恐れたり、一方的に他人の「老害脳」を批判したりすることはやめましょう。誰もがそのリスクを抱えているのですから。
それよりも、人が「老害」になってしまう脳の仕組みを理解し、より良いコミュニケーションと、知識や経験の共有が行われることで、みんなが協力し合い、社会が豊かになれる方法を見つけられればと思います。 【→次の記事】不覚にも組織で再生産される「老害」の“怖い”実態
加藤 俊徳 :医学博士/「脳の学校」代表