大いなる山 Mt.デナリ・カシンリッジへの挑戦 高度順応編|#4
Day4
C3(3、400ⅿ)は広い台地で太陽の降り注ぐ心地のいい場所だ。朝起きると全員疲労で身体を起こすことができず、この日は順応も兼ねて休養することにする。長いデナリ登山では順応や荷揚げ、休養の仕方によって登頂の成否が分かれる。 重荷を背負い満載のソリを3日間引いてきた身体は既に悲鳴をあげている。気温はマイナスだが日差しが強く、外で昼寝していると暑いくらいだ。 周囲のパーティを観察していると、午前9時くらいにテントから外に出だして、11時くらいに歩き始めたりしている。陽の沈まないここでは、気温の低い朝はテントの中で休み、気温が上がり始めてから行動するのがセオリーのようだ。 早出早着の日本の登山スタイルがしみついているが、そもそも白夜のため、真っ暗にはならないのでいくら遅く到着しようが問題ないのである。登山スタイル自体もデナリに順応していく必要がありそうだ。 文・写真◉佐藤勇介/編集◉PEAKS編集部
PEAKS編集部