【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第21ステージ】プリモシュ・ログリッチが史上最多タイとなる4度目の個人総合優勝「最後は“何としてもやり遂げる”という意志だけだった」 シュテファン・キュングはグランツール初勝利
ブエルタ・ア・エスパーニャの戦い方を知り尽くす男、プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が、4度目の大会制覇。ロベルト・エラスに並ぶ、史上最多タイ記録となる大台に到達した。 【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第21ステージ|Cycle*2024
「戦いの終わりが見えてくるにつれて、“何としてでもやり遂げるんだ”という意志が強くなっていった。最後はその思いが僕自身を奮い立たせていたんだ。始まりから終わりまで、全力尽くして走ったよ。今は本当に幸せな気分だ」(プリモシュ・ログリッチ)
何が起きようと、決して焦ることはなかった。ピコ・ビリュエルカスを上った第4ステージを勝ち、早々に優位に立ったかに見えたが、その2日後にベン・オコーナー(デカトロン・AG2Rラモンディアル)の大逃げで首位陥落。追う立場に回ったけど、ログリッチ、さらにはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのアシスト陣は、ライバルチームの動きをうまく利用しながら、要所ではみずからがレースを掌握するスマートな戦いに終始。オコーナーとの総合タイム差をじわりじわりと縮めて、14日間かけてリーダージャージのマイヨ・ロホを取り戻してみせた。
それだけでは終わらなかった。終幕が見えた第20ステージでレッドブル勢を食中毒が襲った。選手・スタッフの多くが体調を崩し、この日だけで3人がリタイア。エースをアシストできたのはわずか4選手という異常事態も、ブエルタを知り尽くすログリッチはマイヨ・ロホをまとってうまく立ち回った。
チーム内で数少ない“食中毒を回避した選手”と見られていたログリッチだが、実際のところは多分に影響を受けていたという。
「実は今日(第21ステージ)だけで20回はトイレに行っている。でも、僕には戦いを終わらせる使命があった。体調については深く考えず、走り切ることだけに集中しようと心掛けていたんだ」(ログリッチ)
結果的に個人総合7位で終えるチームメートのフロリアン・リポヴィッツも同様で、前夜は胃の不調でほとんど寝られないまま最終日に臨んでいたという。苦境に立たされながらも、ログリッチとレッドブル・ボーラ・ハンスグローエの選手たちは勝利への強い思いで走り抜いた。
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