「プラスチック」ファンなど客層変化に賛否、国際化で「本場」の雰囲気が薄れる懸念も 【プレミアリーグ 巨大ビジネスの誕生⑩)】
サポーター統括団体「フットボール・サポーターズ・アソシエーション」の調査では、プレミアリーグが外国のファンを重視するあまり地元サポーターが犠牲を払っているという意見に60・4%が賛同した。 イングランドのサッカー場は目の肥えたファンから自然発生的にわき起こるチャント、プレーに対する歓声やため息といったリアクションから独特の空気感が生まれる。サポーターが太鼓や旗を使って組織的に応援するスタイルで知られるイタリアやドイツなど他のサッカー大国と違い、コアなファンが集うゴール裏だけでなく会場全体で一人一人の声と見識の高さが試合に欠かせないピースとなる。 かつて労働者階級の男性が大半を占めたスタジアムが老若男女に開かれ、多様性が受け入れられるようになった一方で、ビジネスを優先することで客層が変わることには「フットボールの本場」ならではの雰囲気が薄れていくリスクも伴う。もしスカイスポーツが思い描いた「テレビ映え」するスタンドが、結果的にプレミアリーグの魅力をそぐことになればそれは皮肉としか言いようがない。