58歳会社員、副収入目当てでFXトレードを始めるも250万円の大損失…泥沼にハマらないための「5つの注意点」
敗因は自分の相場観に固執したこと
村下さんの敗因は、自身も認めるように、政策への反感から生まれた「こんな円安が長続きするわけがない」という思い込みでした。客観的な分析よりも、自分の感情や直感を優先させてしまったのです。 為替に関するニュースは意識していたそうですが、自分の考え方を肯定してくれるものを見つけては、安心するというスタンス。これでは、有効なトレード戦略を立てることはできないでしょう。 ちなみに、こういった自分に都合の良い情報ばかりに注目する現象は、「確証バイアス」という人間が持つ心理的傾向のひとつです。感情や直感だけでは、FXトレードで安定した結果を出すのは難しいと考えた方が良いでしょう。
FXでは「チャート分析」と「メンタル管理」が特に重要
ここで、FXの取引経験はあるものの現在は取引をやめてしまった296人を対象に、弊社が行った調査結果を紹介します。FXを継続するために足りなかったものは何か質問したところ、以下のグラフのような結果となりました。 最も多かったのが「チャートを読む・分析するスキル」で31.8%、これに「メンタル管理能力」が30.1%で続くという結果です。 村下さんのケースを振り返ると、不足していたのはまさにこの2つのスキルだったと考えられます。チャート分析ではなく感覚を重視したトレードを行い、客観的な市場分析ができていませんでした。また、自分の誤った相場観に固執し続けてしまったことは、メンタル管理能力の不足を示しています。 この調査結果からは、FXトレードを成功させるためには、技術的なスキルと心理的な強さの両方が重要であることがわかります。チャート分析スキルを磨き、同時にメンタル管理能力を向上させることが、FXトレードを長期的に続けていく上で不可欠といえるでしょう。
FXで泥沼にハマらないための5つの注意点
FXは手軽に始められる便利な投資手段ですが、何となくでトレードをしていると大きな失敗をしてしまうことがあります。最後に、村下さんのエピソードを踏まえて、FXで泥沼にハマらないための注意点を5つ紹介します。 1.自分の考えにとらわれすぎない 個人的な見解や感情を強く持ちすぎると、相場を客観的に見ることが難しくなってしまいます。「相場に正解はない」という気持ちで、ひとつの考えにとらわれすぎないことが大切です。 2.チャート分析に基づいて客観的に判断する チャートは価格の動きを視覚化したものであり、個人の感情や思い込みを排除した客観的な分析が可能です。自分の何となくの相場観よりも、チャート分析による客観的な根拠を重視するようにしましょう。 3.トレードルールを明確にする エントリー・利益確定・損失確定など、具体的なルールを事前に決めておくことで、感情的なトレードを避けることができます。ルールを守ることで一貫性のあるトレードが可能になり、長期的な成功につながるはずです。 4.感情的にならず淡々とトレードする 興奮や焦り、恐怖などの感情に左右されずに、冷静にトレードすることが重要です。感情的になると判断力が鈍り、ミスを招きやすくなります。常に冷静さを保ち、自分が決めたルールに従って淡々とトレードしましょう。 5.検証・練習を通じてスキルアップを目指す 良いトレードルールを作るためには、過去のチャートを使った検証が欠かせません。また、冷静にトレードするためには練習が必要です。過去チャートも上手に活用しながら、たくさんの検証・練習を積み重ねることが、スキルアップへの近道です。 以上の5点を意識することで、村下さんと同じような失敗パターンに陥ることを避けられるはずです。 FXは魅力的な投資手段ですが、同時に大きなリスクも伴います。自分の感情や思い込みに左右されず、客観的な分析と冷静な判断を心がけて、リスクを抑えながらFXに丁寧に取り組んでいただければと思います。