【SNS時代の選挙】名古屋市長選で圧勝した広沢新市長を独自取材 SNSを追い風にした候補と、“デマ”の火消しに追われた候補 選挙のあり方に課題残る
11月24日に行われた名古屋市長選は、与野党相乗りの対抗馬に大差をつけ、15年続く河村市政の継承を公約として掲げた広沢一郎氏が当選しました。今回の選挙でも注目されたのがSNSの影響です。
河村市政「継承」で圧勝した広沢新市長
河村前市長の政策継続を訴え、前参議院議員の大塚耕平氏に約13万票の差をつけて初当選した広沢一郎新市長。 当選確実の一報が届いてから約9時間後の午前6時、広沢新市長は、河村前市長とともに中京テレビの番組「あさドレ」に生出演しました。自らの公約について、落ち着いた表情で話していましたが、中京テレビに到着した直後の控え室では「(河村さんのことを)つい“市長”と呼んでしまいそう」と漏らし、“市長”の実感がなかなか沸いていない様子。 それを横で聞いていた河村前市長は、「大名古屋の市長ですから、固くはなるけど(広沢さんは)品がいいから。やけくそでやってちょ」と広沢新市長の背中を押しました。
午前10時。名古屋市役所で当選証書を受け取った広沢新市長は、記者の質問に時折笑顔も見せながら対応。 広沢一郎新市長: 「いよいよここからがスタートだな。はやく仕事をしたい気持ちでいっぱい。風通しの良い市政を目指してまいりますので、市の職員、市民の皆さまも、何なりと私にお声がけをいただければと思います」
約400人の職員が出迎えた初登庁セレモニーでは、花束を受け取り満面の笑顔。市長の椅子に座った際も、穏やかな表情で撮影に応じていました。
午前11時ごろに行われた職員への訓示では、一転、引き締まった表情で「チームとして よりよい名古屋市をつくっていきたい」と語った広沢新市長。 今後は、河村市政が対立してきた愛知県の大村知事や市議会と向き合い、公約を実現できるかが注目されます。
SNSで明暗わかれた2人の候補
投開票前日の夜、名古屋・栄では名古屋の新市長となった広沢氏が、“最後の訴え”を行っていました。街頭からは大きな“一郎コール”が沸き上がります。 公職選挙法で街頭演説が許されている午後8時ギリギリまで支持を呼びかけ、これで14日間の選挙戦を締めくくったかと思いきや、午後9時半ごろ、広沢陣営で何やら動きが。カメラやマイクのセッティングをしていました。