「バカ運転手」暴言に自作自演も 悪質カスハラ防止条例案 制裁措置で氏名公表も
■髪の毛抜きラーメンに「おい!入ってる」
宮崎県のご当地麺「辛麺」が食べられるお店。 客 「クセになりますね。好きですよめっちゃ」 常連客にも根強い人気の店で20日、防犯カメラに捉えられていたのは驚愕のカスハラだった。 午後2時すぎ、黒い帽子にサングラスをかけた男性客が入店。注文したのは店で2番目に辛い「煉獄(れんごく)」という辛麺。 注文から7分後、男性客のもとに辛麺が届く。1口、2口と食べ進めるなか、突然箸が止まる男性客。 すると驚きの行動に…。左手を束ねた髪の毛の方に持っていくと、なんと髪の毛を引き抜き、そのまま器の方へと手を持っていく。その後、右手に持つ箸でかき混ぜている様子がうかがえる。 さらに、再び髪の毛を抜き、器へ。男性客はその後、水を飲み一息ついて店員を呼び出す。店員が駆け付けると…。 男性客 「おい!髪の毛が入ってるじゃねぇか!」 辛麺に「髪の毛が入っていた」と訴える男性客。しかし、店員はこの男性客に見覚えがあった。 対応した店員 「前回も同じ人が来てて、その時も髪の毛入ってるって同じ人に叱責(しっせき)されてて」 男性客は8月にもこの店に来ていたという。 対応した店員 「全部食べた後に、髪の毛入ってるって指摘されて、さすがにまずいなと思って(その時は)お代は頂かずにしっかり謝って帰したんですけど」 1回目に来店した際の防犯カメラにも今回と同様、自身で髪の毛を器に入れる様子が映っていたという。繰り返された自作自演のカスハラに店長はこう話す。 辛麺 華火・渋谷店 福田康平店長 「従業員にあたってくるのは腹が立ちますよね。あとはもうほんと驚きの一言です」 店はこの男性客を出入り禁止にし、系列店にも情報を共有しているという。
■「バーカ!」カスハラ電話に“切電”マニュアル
様々な業界がカスハラ対策を行うなか、首都高で取られている対策が「切電マニュアル」。 その内容は相手が(1)30分以上同じ内容を繰り返し主張、(2)要求内容が不当、(3)威圧的な発言や口調 のいずれかに該当する場合、相手に理由を伝えた上で電話を切るというものだ。 実際に「切電」を行った実例がこちら。 オペレーター 「何時に終わるという約束、ご案内はこちらでできかねます」 これは今年8月、故障車の移動に時間がかかりすぎているという内容でオペレーターに怒りをぶつける客からの電話。 カスハラ客 「お前らじゃ何の役にも立たねぇ!」 オペレーター 「申し訳ありません。今の段階では正確な時間は…」 カスハラ客 「バーカ!大丈夫か?おい!」 オペレーター 「お客様…」 暴言が止まらない客にオペレーターが…。 カスハラ客 「毎度じゃねーかよ。本当によー!いっつもよ!!」 オペレーター 「お客様、そのように暴言を吐かれるようであればこちらからこれ以上のご案内できかねます」 カスハラ客 「バカ!!」 オペレーター 「お電話切らせていただきます」 カスハラ客 「切るなバ…」 今まではできなかった対応に、オペレーターたちからは安心して仕事ができるという声が上がっている。 首都高 サステナビリティ推進企画課 恩田和典課長 「(電話は)切ってはいけないみたいな、暗黙のルールがあったんですけれども、会社全体として対応するので安心して電話を切れということを社員には伝えている」 また、どのオペレーターがカスハラを受けているか、上司にすぐ通知がいくシステムも導入した。 恩田課長 「カスハラに対してはやはりあってはならないと思っておりますので、そこは社員をしっかり守る」 東京都では全国初となるカスハラを防ぐ条例が成立。さらに、三重県桑名市ではカスハラをした人の氏名を公表する条例が…。その内容とは?