JR東海のエアロキングが中国への転属で復活したってマジ? 最後の国産二階建てバスに乗っておけ!!
■最初で最後の降車休憩
出発時刻となり、バスは動き出した。車内アナウンスのあと名古屋都市高速、東名阪自動車道へと進んでいく。そして40分ほど走ったところで休憩場所である大山田パーキングエリアに到着した。 まだ走り出したばかりという感じもするが、この路線はここが唯一乗客が降車できる休憩場所であるので、外へ出て体を伸ばすには最初で最後だ。多くの乗客が休憩とコンビニでの買い物のために降りていった。駐車場には他の夜行バスが停まっていたが、やはり外から見るとその存在感に圧倒されるダブルデッカー車ならではのものだろう。
■吉なのか凶なのか?
15分ほど停車し、再び西へと走り出した。ここからは乗務員の休憩や交代などで停車するのみで、乗客が降りることはできない。こう書くと窮屈に感じるかも知れないが、走り出すとすぐに消灯なので、時間を気にせず就寝することができる。また休憩のたびに降りていると目が覚めてしまい、なかなか眠れないということもある。その点ではアナウンスを気にする必要がないのはありがたいともいえる。 筆者も寝るための体勢を作りにかかるが、7B席は後ろに座席がないので、フルリクライニングも可能だ。座席周りは通常のシートと同じだが、左側の肘置きにあたる部分がなく階段部のパーツになっているので、腕を置くにはやや違和感がある。飲み物を置けるホルダーもあるが、夜間で倒すといけないので置くにはやや抵抗を感じてしまう。 後ろが気にならないと思ってこの座席を選択してみたが、いざ座ってみるとちょっとしたレイアウトの違いがあり、うまく熟睡という感じにはならなかった。ただそれでも体勢をいろいろ変えているうちに、結局は寝てしまっていたので慣れの問題だろうか。
■山陰の主要都市をカバーしながら…
目が覚めたのは車内アナウンスが流れた頃だった。時刻は5時30分を少し過ぎたあたりで、最初の停車地である米子駅が近くなってきたようだ。車内灯が点くので、その明るさであちこちからシートを起こしたり降りる準備をしたりする物音が聞こえてくる。米子駅には5時45分で定刻より5分ほど早着だった。 米子駅で10名弱が降車した。車内にずっといたので外の様子は一切分からなかったが、筆者の座っている座席は1階の扉も見えるような吹き抜けの横なので、扉が開くと冷気が入ってきて寒さを感じる。続いて松江駅には6時20分に到着、ここでも何人かが降車した。時刻表ではこのあと玉造、宍道、斐川インターと止まっていくが、この日は降車する乗客がいなかったようで通過した。 そして終点である出雲市駅には7時10分、約15分ほど早着した。降りた出雲市駅は曇り空でとても冷え込んでいた。多くの乗客は預けていた荷物を受け取ると、足早に駅の中へと消えていった。また何人かは隣のバス乗り場から出雲大社行きの路線バスに乗り換えていたようだった。筆者も回送となって駅を出て行くエアロキングを見送った後に出雲大社行きのバスに乗車した。