成田凌&森田剛、互いの存在感を絶賛 台湾ロケの独特な撮影現場で生まれた信頼関係
■森田から「興味があった」に、成田凌「ただただ幸せ」
成田凌と森田剛という奥行きのある俳優たちが初めて対峙した映画『雨の中の慾情』が公開された。劇中では、先輩後輩なのか、仲間なのか、はたまた対立するのか……どちらにもとれるような絶妙な距離感で向き合う二人。さらにロケ地はほぼ台湾という環境。そんな状況下で撮影に臨んだ成田と森田が、互いの存在感や独特だったという片山慎三監督の現場を振り返った。 【写真】あふれ出る色気から目が離せない! 成田凌&森田剛、撮り下ろしショット 漫画家・つげ義春の短編作品をベースに、映画『岬の兄妹』や『さがす』などの片山慎三監督が独創性あるラブストーリーに仕上げた本作。成田は貧しい北町に住む売れない漫画家・義男を、森田は自称小説家という怪しい男・伊守に扮する。 ――重層的なテーマが内在する本作ですが、脚本を読んだとき、最初にどんなイメージを持ちましたか? 成田:片山監督が最初から「この映画はラブストーリーです」とおっしゃっていたので、その視点で読みました。自分が演じる義男が、(中村映里子演じる)福子さんのことを最初から最後まで好きという気持ちを持ち続ければいいのかなと思いました。 森田:俺は全然分からなかった(笑)。「なんなんだろう、この物語は」という部分ですごく惹かれました。片山監督の頭の中に入っていきたいなと思う脚本でした。 ――義男と伊守の関係性も、不思議なものでしたが、お二人はどんな距離感を意識しましたか? 成田:まず自分だったら伊守をどう演じるんだろうなと考えたとき、難しいなと。存在しているだけでめちゃくちゃ魅力的である必要があって、それでいて力が抜けている。義男からすると憧れの存在。敵となるとかなりの強敵。もう諦めるしかない。その意味で、対峙するときは、諦めの感覚で入りました。 森田:伊守はつかみどころがなく、チャーミング。でも内に隠しているものはいっぱいあると思っていたので、そこをあまり出さないように、なるべくこぼれ落ちる感じになればいいなと思っていました。義男との関係性も、そんな距離感というか。台湾に行って成田くんを観察していたのですが、現場での居方が興味深かった。特に話をすることもないんだけれど、何をするんだろう、何を考えているんだろう……とすごく興味を持って見ていたので、そのワクワクが出ればいいなと。 成田:今のお話を聞いて、僕はただただ幸せです(笑)。台湾での撮影は、本当に大変で。現場が楽しい時もあれば、そうではないときもあり。そういうときは僕も森田さんは今何を考えているんだろうと思っていたんです。僕と同じこと考えているのかな……なんて。勝手に分かり合っている気持ちでいました。でもその話を以前したら、全然違うことを考えていたみたいで。分かっていなかったですね(笑)。 ――話し合わずともお互い同じような距離感でいられたんですね? 成田:そうですね。森田さんには絶大なる信頼感がありました。 ――森田さんは、成田さんに対して作品に入る前にイメージしていたことはあったのですか? 森田:特にイメージしたことはないのですが、信頼できる人なんだろうなというのはありました。あとは対峙したときの緊張感は保っていたいなと思っていましたし、保てる人なんだろうなという、それこそ信頼はありました。