午前の日経平均は反発、米半導体規制への思惑が買い戻し誘発
[東京 28日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比160円16銭高の3万8295円13銭と反発した。米株安を嫌気して安く始まったが、バイデン米政権による対中半導体規制への思惑から過度な警戒感が緩和し、買い戻しが誘発された。 日経平均は199円安で寄り付いた後も一時約330円安の3万7801円62銭に下げ幅を拡大した。米国市場でハイテク株安となったことを嫌気する動きが先行し、国内の関連株の下落が指数を押し下げた。一方、心理的節目3万8000円を下回ると短時間で切り返し、節目を挟んだ値動きに移行した。 市場では「積極的に買い上がる材料はないが、米経済がしっかりし、米株が高値圏にある中で、節目を下回れば値ごろ感からの買いが入りやすい」(りそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャー)との見方が聞かれた。 前場の中盤にはプラスに転じ、一時246円高に上昇する場面があった。ブルームバーグが関係者の話として、バイデン米政権による対中半導体規制の追加措置が早ければ来週にも発表される可能性があると報じた中で、以前想定されていたより厳しい措置には至らないとしたことが材料視されたとみられる。 日経平均は前日までの続落で600円超下落しており「短期筋によるショートカバーが誘発された」(国内証券のストラテジスト)との声があった。 TOPIXは0.55%高の2679.96ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆1640億1500万円だった。東証33業種では、値上がりは鉱業や水産・農林、電気・ガスなど30業種、値下がりは精密機器やサービス、非鉄金属の3業種だった。 東京エレクトロンが大幅高となり、1銘柄で指数を約140円押し上げた。任天堂や第一三共は堅調だった。一方、アドバンテストは軟調。リクルートホールディングス、HOYAは弱かった。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1139銘柄(69%)、値下がりは452銘柄(27%)、変わらずは47銘柄(2%)だった。