こんなに素晴らしい運転の教科書はない！

エンジン編集部員ムラヤマが選んだマイHOT20の1位は？

雑誌『エンジン』の大人気企画、「ENGINE HOT 100」。オリンピックイヤーの今年は「新時代のトップランナー」というテーマもプラスして、34人のモータージャーナリストのHOT100委員が「今身銭を切ってでも欲しいクルマ」を選んだ。まずはその委員たちが選んだ2024年の「マイHOT20」を公表する。モータージャーナリストと同じくHOT100委員を務めるエンジン編集部のムラヤマが選んだいま欲しい20台はこれだ！ 【写真２２枚】エンジン編集部員ムラヤマが選んだ今身銭を切ってでも買いたいクルマ20台のランキングを写真で見る ◆出会えて本当に良かった！ 「新時代のトップランナー」がテーマだが、私にとっては、新時代を過ごす時間の方が圧倒的に長いのは確実である。だからこそ、今、心から乗りたいと思うのは、いよいよ熟成が極まった、これまで積み重ねられてきた歴史の最終到達地点にあるクルマたちだ。1日でも長く、同じ時代を過ごしたい。このクルマたちに出会えて本当に良かった。 ◆20位　ヒョンデ・アイオニック 5 N 走り好きの開発陣が本気で作ったことがよく分かる。内燃機関車の運転の歓びの再現ぶりと、EVだからできるキャラ変の幅広さに感動。新時代もいいぞ！ ◆19位　フィアット・パンダ さりげない遊び心に溢れたパンダは持っているだけでワクワクできる。500ほど可愛すぎず、実用性の高さも◯。4×4のツインエアをMTで操りたい。 ◆18位　ランドローバー・ディフェンダー（全て） Gクラスよりも土や草が似合うのに、都会を走っても絵になるデザインが秀逸。オンロードでも快適な実力派の90を、肩の力を抜いて普段使いしてみたい。 ◆17位　マセラティ・グレカーレ（全て） 世界で最もエレガントなSUV。街なかで見かけると目で追いかけてしまう。思わず触れたくなるインテリアの素材感が素晴らしい。走りも初期より洗練された。 ◆16位　シボレー・コルベット（コンバーチブル、Z06含む） 6.2リッターのV8自然吸気OHVはエンジン世界遺産！　見た目に反して比較的カジュアルでゆったりしたGT的な乗り味も良い。買えないけれど、1420万円～の価格も魅力的。 ◆15位　アルピーヌA110（全て） ケイマン-300kg。圧倒的な軽やかさと程よいパワー、バランスの良さは狭い日本のワインディング・スペシャリスト。ヘリテイジを重んじたデザインも◎。 ◆14位　ベントレー・コンチネンタルGT（コンバーチブル含む全て） 宝石がちりばめられたような美しい内外装に恐縮する最上のグランド・ツアラー。こんなGTが似合う大人になりたい。エンジンは明るく元気なV8が好み。 ◆13位　BMW 5シリーズ／i5（ツーリング含む） i5の登場で底上げされたシャシー性能がガソリン車の走りにも恩恵をもたらしている。ドライバーも走りを楽しめるプレミアム・セダンとして、最高の相棒。 ◆12位　トヨタGR86 ロードスターと並んでクルマ好き若者の味方。2年乗った初期型には少々クセがあったが、痛快なハンドリングが忘れられない。今後の熟成にも期待を込めて。 ◆11位　フェラーリ・プロサングエ 伝統のV12ユニットや、あくまでドライバーと一体になってドライブするための後席はまさに「純血」の象徴。2t超えの巨体とは信じられない身のこなしに脱帽した。 ◆10位　ケータハム・セブン（170、340含む） 山の別荘にもう1台置けるならセブン一択。何てことない道が、一気に絶好のドライビング・ロードになる。化石のようなクルマが今買えること自体、奇跡だ。 ◆9位　スズキ・ジムニー（シエラ含む） 山の中に別荘を持っていたら、まず車庫にジムニーを入れたい。取り回しの良さや車体の軽さはSUVにとって最大の武器。今でも100万円台で買える！ ◆8位　BMWアルピナB3／D3S（ツーリング含む） エレガントさと凄まじいパフォーマンスを併せ持つアルピナも、いよいよラストスパート。街を流すだけでも骨の髄まで染み渡るような心地よさに惚れ惚れ。 ◆7位　ランボルギーニ・ウラカン（スパイダー、ステラート含む全て） 何より5.2L自然吸気V10ユニットのサウンドに惚れた。4000回転から先の金管多重奏のようなハーモニーはずっと聴いていたくなる。後輪駆動のテクニカが好き。 ◆6位　フィアット500／500C 速さは期待できないし、なんだか古臭い。なのに、眺めるだけでワクワクするタイムレスなデザインが素敵。ゆっくり走るのも良いんだよ、と教えてくれた。 ◆5位　ポルシェ718ケイマンGTS 4.0 軽快な4気筒も悪くないけど、ドライバーの背後で吠える6発のサウンドにはやっぱりゾクゾクする。GT4は少し持て余しそうだから、あえてGTSを選びたい。 ◆4位　マセラティMC20（チェロ含む） チェロ推しの1票。数あるミドシップのスーパー・スポーツの中で、唯一「美しい」という言葉が似合うクルマ。屋根は常に開けて走るのが正装だと思う。 ◆3位　ポルシェ911カレラ・クーペ（4含むカレラ系全て） 992.1型カレラT（7MT）の清々しい走りが私の好みにドンピシャだった。数あるラインナップの中でも、普段使い＋αの領域で得られる素うどんのようなドライビング・プレジャーは2駆のカレラがピカイチだと思う。次期型も楽しみ！ ◆2位　BMW M2クーペ 幼少期に憧れたE30やE36型M3の現代版がこれだろう。M4同等のパフォーマンスを持つBMW謹製直6ターボのFRをMTで操れるというだけでワクワクする。何を隠そう、このご先祖ともいえる初代135iクーペのMTを手に入れたばかりである。 ◆1位 　マツダ・ロードスター（RF含む） 私が都合3台乗り継いでいるロードスター（NB）に求めているものは、ダイレクトで濃密なステアリングとスロットル・レスポンス。そこが少し物足りなかったNDもついに、大進化を遂げた！ こんなに素晴らしい運転の教科書はありません！ （ENGINE2024年9・10月号）