長生きに筋トレのススメ 週30~60分で死亡や糖尿病、がんのリスクが低下
ではどれくらい、筋トレや運動を行えばいいのか。ガイドは「まずは今よりも1日10分多く、体を動かすことを心がけましょう」と促す。国民健康・栄養調査によると1日6000歩以上歩く75~84歳は、男性32%、女性22%で、運動量が「すでに十分」といえる人はあまり多くない。
■自宅で、器具を使わず簡単に
そこで沢田さんに、自宅でできる簡単な筋トレを教わった。
一つは太ももの筋肉を鍛えるスクワット。前述の「椅子から片脚で立ち上がる動き」ができない人でも実践できる。尻を後ろに突き出して椅子に座るイメージで、ゆっくりと腰を落とす。次にゆっくりと腰を上げる。膝が伸びきらないうちに、また腰を落とす。これを数回繰り返す。
次がバランス運動にもなる「片脚立ち」。片脚を上げた姿勢を1分間保つ簡単な運動だが、1分間は思いのほか長い。足元がふらつく人は、つかむことができる椅子や机の近くで行うとよい。
沢田さんは「気をつけるのは『無理しない、転倒しない、息を止めない』こと。生活の中に簡単な筋トレを取り入れて、健康寿命を延ばしてください」と呼びかける。
いずれもテレビの視聴中や家事の合間にできる。自分に合った無理のない強度や回数で実践してみよう。(田中万紀)