長年のホンダ「CB」由来論争、ついに決着? 実は○○○を意味していた!?
記録を紙に残さず、ひたすら次に進む、そんな時代がCBを生んだ?
まとめると、CBは「サイクルベター」が本来の語源としては有力だが、「クラブマン」であってもいい。高山さんとしても断言はしていない。ずっとCBのネーミングの由来があいまいなままだったのは、高山さんに言わせると「ホンダは紙に書いて残そうとしていなかったから」のようだ。 「ホンダは特にこの時代(1950~1960年代)、設計図はさすがに残しますけど、今日終わったことはもう忘れて、明日のこと、もうどんどん次のことをやっていきます。いちいち紙に書いて残すことはあまりやらなかったんですね。頭の中に残ってりゃいいよねと。 私も若い頃に1年見ない資料はどんどん捨てるんだと先輩に言われ、どんどん捨てられていましたね(笑)。だからCBの語源もきちっと残らない時代だった。それはそれでいいんじゃないかと思いますけどね」 こうして話を締め括った。CBが生まれた時代はなんとも大らかで、ひたすらに未来を見つめていたホンダの社内風土が伝わってくるようだ。バイクファンとしてはやっぱり明確なネーミングの意図を知りたかった気もするのだが(笑)、この熱気があればこそ時代を変える名車CBが生まれたのかもしれない。
沼尾宏明