デジタルシティ松本推進機構、実証事業「ばーちゃるまつもと」がオープン
デジタルシティ松本推進機構(DigiMAT)で組成された、日立システムズを代表とするプロジェクト共同体は、2023年度から産官学民で連携して進めてきた実証事業「“ばーちゃるまつもと”による市民主体のシティプロモーション」で構築したメタバース(仮想現実空間)「ばーちゃるまつもと」を10月2日にオープンする。 DigiMATは、「デジタルシティ松本」の推進に向けて、デジタル人材が育まれ、デジタルを駆使して働くことができ、便利さを実感できるデジタルサービスが生まれるイノベーション・エコシステムを産学官で共創する組織。23年度に「市民の幸福度の最大化を目指し、人口定常化につなげる」ことを事業目的にしたプロジェクトを募集し、日立システムズを代表とする共同企業体が提案した「“ばーちゃるまつもと”による市民主体のシティプロモーション」を採択した。 同プロジェクトは23年10月に、市民主体のプロモーションによって「関係人口の創出」と「シビックプライドの醸成」を実現することを目的に取り組みをスタートした。今年5月以降は社会実装フェーズとして、市内地元企業の参画や松本市各事業課との連携、大学をはじめとした教育機関など松本市内の中高大学生の協力によって、産官学民で連携してメタバース「ばーちゃるまつもと」の空間構築を進めてきた。 とくに、地元の中高大学生は、実際の企業経営者にインタビューして「ばーちゃるまつもと」内に設置される企業の建造物データの構築やその企業を紹介するコンテンツ制作を行い、探求教育の一環として主体的に構築に取り組んだ。 「ばーちゃるまつもと」は、全世界から誰もがアクセスできるウェブ上の仮想現実空間。松本市民が、信州松本の自然、歴史、風土、食文化などの魅力をメタバース空間でデジタルデータとして構築し、広く一般に向けて仮想現実で伝えていく。 自然豊かな山々から生まれたエントランス「湧き水公園」を入ると松本市を代表する百貨店である井上百貨店を再現した「ばーちゃる井上百貨店」や味噌蔵、酒蔵などがあり、バーチャル空間で名産品を楽しむことができる。また、観光ストリートである「六九(ろっく)商店街のアーケード」をデジタルで復刻した。 メタバース内は案内人「ばーちゃるカヨさん」が案内。「ばーちゃるまつもと」で、松本市民が誇りをもっている松本市の魅力を全世界に発信する。 今後は、松本の魅力発信はもとより、産学官民での連携を継続し、地域をつなぐプラットフォームとしての役割を担える空間造りを進めていく。25年度以降は、より多くの松本市内の企業や市民に参画してもらい、運営主体を市民に移行する計画も検討している。日立システムズでは、今後も「ばーちゃるまつもと」と現実の松本市双方での全世界の人の往来を促し、松本市の地域貢献に寄与できるよう取り組みを進めていく。