まさに実写化のお手本のようだった映画「はたらく細胞」、それでもマンガ家が気になった部分は?
人気マンガを原作とする実写映画「はたらく細胞」が12月13日に公開されました。人間の体内で起こる様々な症状を、擬人化された細胞たちを通して楽しく学べるということで原作マンガは大ヒットしたわけですが、その独特な体内の世界観が果たして実写で再現できるのか、個人的には結構不安でした。実際はどうだったのでしょうか。 【まんが全23コマを読む!】スワイプで次のコマへ (C) 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation. 実際に映画を見てみると、その原作再現度の高さに驚きました。赤血球役の永野芽郁さんや白血球(好中球)役の佐藤健さんなどキャスティングは全く違和感ナシ。映像としても文句なしだと思います。 そして原作を改変した部分も素晴らしかったです。この映画では、細胞たちが働く体の持ち主である、漆崎親子という人間側のパートを追加することで、体内で起こっていることをより分かりやすく見せることに成功しています。不摂生をしていた父親・阿部サダヲさんやその娘役・芦田愛菜さんなど、実力派の俳優さんによるお芝居も見ごたえ十分です。 ただ、違和感を覚えた部分もありました。この映画の後半では、ある大きな病に漆崎親子とその体内の細胞たちが立ち向かっていくことになります。体内と体の外、それぞれが病に抗う姿には思わず泣いてしまう人も少なくないでしょう。つまりシリアスかつ重い内容なので、原作の雰囲気を期待していた人は、面食らうのではないでしょうか。 また、人間パートと体内パートそれぞれで、かなりしっかり各キャラクターのドラマが展開されるので、個人的には少し冗長な印象も受けました。そこを丁寧な描写と感じるか、冗長だと感じるかで、この作品の評価が分かれるかもしれません。 それでも全体を通して見れば、原作再現も素晴らしければ改変部分もよくできていて、まさに実写化のお手本といえる作品だと思いました。「笑って泣けてタメになる」という公式の宣伝文句に偽りなし。この年末年始、家族でこの映画を楽しむのもアリだと思いますよ。