リオ五輪敗北の手倉森JからロシアW杯を目指すA代表に選ばれる選手は?
リオ五輪日本代表はスウェーデンとのグループステージ第3戦に1-0で勝利したものの、2位の座を争っていたコロンビアがナイジェリアに勝利したため、グループ3位に終わって決勝トーナメント進出を逃した。 五輪での男子サッカー競技には、3人のオーバーエイジを除いて23歳以下という年齢制限がある。U-17ワールドカップ、U-20ワールドカップと来て、世代別の世界大会は五輪で最後。その先にはフル代表によって争われるワールドカップしかない。 グループステージ敗退に終わったが、感傷に浸ったり、下を向いたりしている暇はない。「リオ経由ロシア行き」と手倉森誠監督も言うように、リオ五輪戦士、手倉森ジャパンのメンバーたちは、フル代表入り、そして2年後のロシア・ワールドカップのメンバー入りを目指すことになる。 そのロシア・ワールドカップのアジア最終予選が9月にいよいよ開幕する。果たしてリオ五輪戦士の中に、フル代表を率いるバイッド・ハリルホジッチ監督のお眼鏡にかなう選手はいるのか――。 9月1日のUAE戦と6日のタイ戦のメンバーに選ばれる可能性が最も高いのが、キャプテンを務めたボランチの遠藤航(浦和レッズ)だ。 昨年8月の代表デビューは、リオ五輪世代で最も早かった。それ以降、コンスタントに招集され続け、アジア2次予選では2試合でピッチに立ち、ここまで国際Aマッチ7試合出場は、この世代最多の数字だ。 もっとも、リオ五輪でのパフォーマンスは決して良かったわけではない。ボールを奪い取る力を示し、ハリルホジッチ監督の求めるデュエル――球際での強さや戦う姿勢は見せたが、問題はボールを奪ったあと。もともと「展開するパスや落ち着かせるゲームコントロールは自分の課題」と話していたが、「持ち味」と言う縦パスの精度も欠いていた。浦和レッズではセンターバックとしてプレーするため、日常的にボランチとしての感覚を磨けないのが、ネックになっている。 「自分自身、センターバックと比べると、ボランチとしてはまだまだ課題が多い。クラブでもボランチでプレーしたい想いもあるけど、もともとセンターバックなので難しいかなとも思う。A代表ではボランチでやる機会が多いので、どっちを優先すべきか、そこは悩みでもあるかなと」 2足のわらじを履き続け、ユーティリティ性を武器にするべきか、どちらかに絞ってひとつのポジションを極めるべきか。現状ではチーム事情や監督の起用法に委ねることになり、簡単に解決する問題ではなさそうだ。