「運転やめたいけど…」過疎地域で高齢者が“免許の自主返納”に踏み切れない現状と対策
島内での新たな生活の足に「チョイソコ」が好評
過疎地域の新たな生活の足へ…ヒントになる動きが瀬戸内の島で始まっています。 人口およそ2300人の今治市大三島・上浦町。65歳以上の高齢者が人口の半数を占める一方で、去年3月、町の中心部を走っていた路線バスが一部廃止されました。
この現状を解決しようと誕生したのが、「チョイソコおおみしま」です。会員制の乗合タクシーで、今治市と地元のタクシー会社などが協力し、去年1月に大三島で運行が始めました。県内にあるチョイソコの中では唯一、自治体がサポートしています。 今治市 しまなみ住民課 中山晃成課長: 「バス路線の廃止に伴い、今治市としても住民の(生活の)足を確保するため生活弱者の足を確保するために県から引き受け、(市が)委託料を支出しながら運行している」 年齢制限はありませんが、現在利用者のおよそ8割が65歳以上で、スーパーや病院など、島内におよそ120か所停留所があります。 運賃は一律 大人400円で、65歳以上や免許の自主返納者などは半額の200円で利用できます。毎日運行していて、利用する際は電話やインターネットで予約、移動手段が限られている高齢者を支えています。 チョイソコおおみしまを運行する「上浦交通」。チョイソコの専属ドライバー、赤尾龍司さんです。 赤尾さん: 「このタブレットに指示が来るのでこの通りに行けばいい」
84歳女性: 「お願いしますー。私は大助かり」 チョイソコに乗って買い物に行っていたという84歳の女性。自宅近くを走っていた路線バスの廃止以降、チョイソコを利用しています。 84歳女性: 「もうお父さん(夫)も90歳に近いからバイク辞めないといけない」 Q.免許返納した後は? 「これ乗りますよ」
女性を自宅近くまで送り届けた赤尾さんは、休む間もなく次の目的地へ。 赤尾さん: 「若者よりもお年寄りが多いので、どんどん需要は高まっていくんだろうなと思う」 この日は11件の予約が入りました。