「運転やめたいけど…」過疎地域で高齢者が“免許の自主返納”に踏み切れない現状と対策
喜義さん: 「街なかは(法定速度が)40キロじゃなかったろうか」 息子・孝志さん: 「40キロよ。下手したら30キロかもしれん」 20分ほどでスーパーに到着。 喜義さん: 「これで一週間分はあるからね」
95歳、身の回りのことをほとんど一人でこなす喜義さんですが、この秋、大きな決断をしました。 「返納…」 (しようかと?) 「もう(運転は)無理だろうと思って決めた」 運転免許の自主返納です。 喜義さん: 「医者に行ってももう何年も前からもうやめないけんぞと言われていて。もう乗らん方がええぞと」
息子の孝志さんはこれまでにも父親の免許返納のタイミングを伺ってはいたものの、なかなか踏み切れなかったといいます。 息子・孝志さん: 「本来であれば年齢的に早く返上してもらいたいのがやまやまだが、結論こういう(地域交通の)状況もあるので、私も車の擦り傷の具合や認知の返答の関係とかを判断しながらもう少し行けるかもう少し行けるかと」 来年春をめどに免許を返納することを決めた喜義さん、返納後は孝志さんが両親の生活をサポートします。 息子・孝志さん: 「拠点は私松山に住んでいるが(遊子川)も半分、平日帰ってきて土日松山の自宅に帰るとか」 60年近く車に乗り続けてきた喜義さん。免許の返納を決断したものの気持ちは複雑です。 喜義さん: 「やっぱ車がなくなったら生活が難しくなるので一番それが心配。集落の会合にも行けなくなるので」
この日、遊子川地区では敬老会が行われました。 西予警察署 西岡交通課長: 「運転免許証を返すことができる、そうした選択もあるということについて考えるきっかけになったらと思い参りました」 西予警察署と西予市が合同で開いた、運転免許の自主返納についての出前講座。バスが通る停留所まで送迎してくれるデマンド乗合タクシーなどのサービスが紹介されました。 80代女性: 「来年の5月まで免許(の有効期限)がある。もうそれには…どうやろう、考えているところ」 自主返納を決めた喜義さんも耳を傾けます。 息子・孝志さん: 「事故こそしていないが、シミュレーターの判定が悪かったり、反応が悪かったり。今日講習を一緒に立ち聞きして資料を見たら、なるほどそういうことになっているのかというのも理解できた」