係員ブチギレ「お前ビザないのか!?」だった数か月前 中国の「ビザ免除」復活 ホントにずっと?
「30日間ビザ免除」がずっと続きますように
ゲートでさんざん怒られた後だったので、ここでも怒鳴られるかもと気を張っていましたが、申請は意外とスムーズ。特定の機械にパスポートを読み込ませた後、カウンターに申請書、パスポート本来、費用(このときは168元)を支払い、あとはビザ発給を待つのみ。 ……なのですが、待てど暮らせどビザが発給されません。 朝9時に申請したものの、もう昼を回ろうとしています。お腹も空いてきた12時半頃、やっとカウンターに係員が現れ、パスポートの1ページにビザのシールを貼ったものを見せてくれ、そのまま返してくれました。 このビザ付きパスポートを持って再び入国ゲートに並び、そのまま中国・深センに入国。香港側のカオスな雰囲気は全くなく、むしろカオスな香港よりもはるかに近代的な都市といった雰囲気です。 ただし、深セン駅に直結する巨大ビル・羅湖商業城は、世界有数のブランド偽物品問屋ビルとして有名。YouTubeなどでも日本人がよくレポートしており、筆者も興味を持って入りましたが、この際は当局の手入れがあった直後とのことで、どのテナントもブランドの偽物が店頭に並んでいませんでした。別に偽ブランド品が欲しいわけではないのですが、その珍景を見られないことは少し残念でした。 また、何か面白い買い物ができるかも? と、文具問屋や玩具問屋を見て回りましたが、これらも日本の100均などで売られているものが多く、「いかにも昔の中国的なケバケバしい雑貨」などはありませんでした。むしろ、海外輸出向けの割と洗練されたようなものばかりで、なんだか拍子抜け。 唯一「中国的で面白い」と思えたのは、「セブン-イレブン」そっくりの「セブン・プラス」というコンビニくらいで、3時間以上かけて国境を超えた筆者は少し残念にも思いました。 結果、中国・深センの滞在時間はわずか2時間。ビザ発給に3時間以上使ったことを考えると、なんとも非合理的な滞在ではありましたが、帰りはスムーズに国境を超え、移動時間も含めて1時間強で香港に戻ることができました。 特にコロナ禍以降、中国に入国する際の「ビザ発給」は情報が錯綜し、そしてその手続きもややこしく、これを怠っていきなり国境に行くと怒られたり、めちゃくちゃ時間がかかったりしたわけですが、今回の「30日間ビザ免除」によって、このプロセスが省かれることになります。 ビザが免除されたことで、どれだけ中国を訪れる観光客が増えるかどうかは未知数ですが、それでも中国に興味を持つ人、行ってみたい人がスムーズにアクセスできるようになったのは実に良いこと。どうかこのまま「30日間ビザ免除」が続いてくれることを願うばかりです。
松田義人(ライター・編集者)