ＳＮＳを利用した詐欺の被害が今、県内で急増しています。 先月には、60代の女性がおよそ1億1280万円をだまし取られるなど立て続けに高額の被害が明らかとなりました。 なぜ、これほど被害が増えているのか？ 被害者を信用させてお金をだましとる巧妙な手口とは？ 有名人を語った偽の広告などを入口に投資名目でお金をだましとる「ＳＮＳ型投資詐欺」 恋愛感情を抱かせて「結婚するため」などの口実でお金をだましとる「ＳＮＳ型ロマンス詐欺」 こうしたＳＮＳを利用した詐欺による被害が県内で相次いでいます。 警察によりますと、ＳＮＳ型投資詐欺とＳＮＳ型ロマンス詐欺による被害は今年1月から先月までに少なくとも57件確認されていて、被害総額は7億円を超えています。 こうした詐欺は、まずインスタグラムやフェイスブック、マッチングアプリなどを通じて接触し、その後、ＬＩＮＥに移行して連絡が本格化。そして…。 「投資に興味はありませんか」 「必ず儲かります」 「あなたのことが好きになりました」 「結婚するための資金を増やそう」 このように利益が出ることを信用させたり、恋愛感情を抱かせたりして、高額な現金をだましとられるケースが多くなっています。 （児玉キャスター） 被害総額が7億円超え、1件当たりの被害額が高額なことがこのＳＮＳ詐欺の特徴だと思いますが、なぜ対面していない人を信用してお金をだましとられてしまうのか？ここからは警察担当の今栖記者に聞きます。 今栖さん、犯行の手口を詳しく教えてください。 （今栖記者） ＳＮＳを通じて知り合った相手から投資話をもちかけられたあと、相手からすすめられた投資アプリをダウンロード。 そして、お金を入金してみると、その際にはアプリ上で利益が出ているように表示されます。 ただ、実際にはこのアプリは偽物で、利益が出ているように見せかけているだけ。 被害者はそのことに気づかず、もっと利益をあげたいとどんどんお金を入金し、いざ利益分を引き出そうすると引き出せない。 相手とも連絡が取れなくなり、そこで初めて詐欺に気づくということです。 （児玉キャスター） アプリ上では利益が出ているように見えるため、信じてしまいそうですね。 （今栖記者） また、ＳＮＳロマンス詐欺の場合は、犯人が外国人を名乗る場合が多く「海外にいるから会えない」 代わりに写真を送られてきて信用してしまったり、なかなか会うことのない海外の人と連絡を取り合うこと自体が楽しみになったりして、恋愛感情を抱いてしまうことがあるようです。被害者の中には、「人柄や誠実さにひかれてしまった」と話す方もいたようです。 （瀬良キャスター） どの年代が多く被害にあっているんですか？ （今栖記者） 年代としては、20代から80代まで幅広い年代で被害が明らかになっていますが、中でも50代が30％と最も多くなっています。 男女の差は、ほとんどありませんでした。 （児玉キャスター） 巧妙な手口による被害が相次ぐ中、警察や金融機関なども詐欺を未然に防ぐ対策に力を入れています。 「ＳＮＳ型ロマンス詐欺」を未然に防いだとして、7日、延岡警察署から感謝状が贈られたのは、九州労働金庫延岡支店の赤星唯希子さんです。 赤星さんは9月4日、窓口を訪れた50代の女性から「新しく口座を作るために手数料を振り込みたい」と尋ねられました。 話を聞くと、女性はＴｉｋＴｏｋで知りあった韓国人を名乗る男から「給料の受け取り口座を開設するために52万4000円を振り込んでほしい」と依頼されていたことが判明。 赤星さんは詐欺を疑い、警察に通報して被害を未然に防ぎました。 警察によりますと、メッセージのやり取りの中には恋愛感情を抱かせる文言もあったということです。 （九州労働金庫　延岡支店　赤星唯希子さん） 「本当に身近で起こることに恐怖を感じますし詐欺が1件でもなくなる社会になればいいと思う」 この金融機関では、詐欺の被害を防ぐため、日頃から高額な振り込みをしようとする利用者には詳しく話を聞くようにしているということです。 警察は、「会ったことがない人からお金の話が出たら詐欺を疑ってほしい」と注意を呼びかけています。 （県警　生活安全少年課　増田哲三警部） 「そういう投資が実際にあるのか実在する会社なのか、そういうのを調べられると思いますし、詐欺の疑いがあると思ったならば、身近な人、家族、警察に相談をしてほしい」 （スタジオ受け）■児玉アナ警察は今年9月、県内の金融機関などと連携して「詐欺被害防止のためのアンケート」を作成。金融機関を訪れた人が高額の振り込みや別の口座への振替などをする場合は、このアンケートを使って詐欺の疑いがないか確認するよう呼びかけています。 （今栖記者） ＳＮＳで連絡をとるのは今や当たり前になっていますがお金の話が出た時は要注意！ 家族や友人などに一度、必ず相談することが詐欺を防ぐために大切だと思います。 ここまで特集でお伝えしました。