被告側証人「罪を問うべきは米軍と日本政府」 チョウ類研究者公判 那覇地裁 沖縄
米軍北部訓練場返還地で米軍廃棄物を回収する活動を巡り公務執行妨害など複数の罪に問われている東村のチョウ類研究者の被告(46)の第10回公判が8日、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)で行われた。 【写真】北部訓練場の返還跡地、大量の米軍廃棄物
被告側の証人として、返還地を含む県北部の自然環境に詳しい沖縄大の桜井国俊名誉教授が出廷し、「罪を問うべきなのは、貴重なやんばるの自然を汚染したまま責任を取らない米軍であり、満足な原状回復を行わない日本政府だ」などと述べた。 公判終了後に取材に応じた弁護人の三宅俊司弁護士は、「返還地の汚染について、日本政府が聞く耳を持たないから被告は事件を起こすまでに追い込まれた。公判でもそのことが浮き彫りになった」と指摘した。 主尋問で、桜井名誉教授は、日本政府が跡地利用推進特別措置法(跡地法)に基づく原状回復のための「支障除去」を終えた後も、被告が米軍廃棄物の回収を続けていた点を踏まえ、「原状回復は日本政府の責務」と指摘。廃棄物の回収の必要性を訴えた被告の主張について「米軍も日本政府も、沖縄県の行政も全く耳を貸さなかった」と証言した。
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