「絶対やめとけ」「その先は地獄」若者の“あえて非正規”拡大に心配の声も…否定に動じなくて良い理由
◆若者の「あえて非正規」、反対意見は聞き流してもいい
そのうえで、若者の「あえて非正規」ブームには多くの人生の先輩が老婆心から反対意見を出しがちだが、あまり聞き入れる必要はないといえる。 価値観の多様化もさることながら、いつの時代も、若い世代はさまざまな事情で自由に行動したい理由がある。例えば海外で働きたいという人は期限付きでワーキングホリデーに参加する。それが新卒のタイミングを逃すことになっても、今しかできないと思えば実行する人はいつの時代にもいるものだ。 特にそうしたやりたいことや自分の意思・価値判断がなければ、既定路線から外れると損をするぞ、というある意味つまらないアドバイスしかできなくなる。他人には理解できない行動は自分にもたくさんあるはずだ。 若者が「あえて非正規」を選択することによって自分らしさを保ち、夢の実現に近づくというのなら、他人がそのことに対してネガティブな評価を下す必要は全くない。正規雇用が多様化していることを見れば、従来の正規雇用という選択には多くのやりにくさ、制約があったことも否めないのである。 もちろん決断が行き当たりばったりであると貧乏くじを引くときもあるが、自分の意思でとった遠回りに意味を持たせ、人生をその先どうするか、それはすべて本人次第だ。 人生に目的を持ち、夢を抱き、社会に貢献しながら自己実現を果たす。その過程において、人生の選択は多様化しており、損得勘定は人それぞれ異なる。損得勘定は稼ぎの大小やコストパフォーマンスだけで測るものではない。あえて言うなら、働き方の多様化はさらに進化していくとよいのだろう。
小松 俊明(転職のノウハウ・外資転職ガイド)