八王子に出現した19歳の“倒し屋”…佐々木尽が2度ダウン劣勢からの大逆転KOでユース王座防衛…次は平岡アンディと日本王座争う
「でも、“逃げない”と、尽はブログに書いている。どんな強い奴からも逃げないというのは昔からのうちのジムのスタイルでもある」 中屋トレーナーが、アンディ戦に重ねたのは、1991年にプロ7戦目のホープ、渡辺雄二が世界挑戦を目前に控えていた日本スーパーフェザー級王者の赤城武幸に挑み、2ラウンドに3度のダウンを奪いKO勝ちした“大番狂わせ“だ。置かれた立場は確かに似ている。 「巡り合わせはいい。スパーの内容を見る限り、湯場選手の方が怖かった。勝つための練習をします」と中屋トレーナーは言う。 リードブローで距離を取りながらも最終的には倒しにきた湯場と違い、アンディは、佐々木の左フックを被弾する危険な距離ではボクシングをしない。それだけのキャリアと上手さがある。 それでも佐々木は、「自分は負けにいかない。勝ちにいく。僕のパンチをもらうと終わっちゃうかもしれない。(トレーナーに)言われたことをやっていれば、つかまえられる。追うのは得意」と豪語した。 どんな逆境もプラスに変える「超ポジティブ思考」が佐々木の生き方。「失敗したって、それをプラスに変えるのが楽しい」という。そんな話を聞いていると、この若者が不利が予想されるタイトル戦で何かをしでかしそうな予感がしないでもない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)