もはや侮れない、中国二輪メーカーの現在「大排気量車は当たり前! 1000cc4気筒スポーツや900cc2気筒アドベンチャーも生産」
世界最大級の二輪車ショーとも言われる「EICMA」。イタリアのミラノで開催されることから通称「ミラノショー」とも呼ばれ、例年11月に開催される。2023年はプレスデーが11月7日、8日の2日間、一般公開日が9日~12日の4日間となったが、出展者は過去最多となる2036。そのうち67%が海外45カ国からの出展者だったという。 そのなかには、日本にはなかなか情報が入ってこない中国メーカーも多数。 当記事ではEICMA2023で見た「中国メーカーの今」をレポートする。 中国車に対するアナタの認識が、もしかしたら一気に変わるかもしれない──。 【画像40点】これが中国車!? スタイリッシュな4気筒1000ccスーパースポーツに最高速200km/hの電動スクーター……中国メーカーの車両を写真で解説
QJMOTOR(QJモーター)「1000ccオーバーの大排気量4気筒のスーパースポーツも開発」
QJMOTOR(QJモーター)は、1985年に創業した中国の車両/エンジンメーカーだ。2005年にはベネリを買収して合弁会社を設立し、現在はベネリブランドを生産するほか自社ブランドにも幅広いラインアップを持っている。 また、2019年にはハーレーダビッドソンとも合弁会社を設立。2020年にはMVアグスタとも提携、さらに中国メーカーとして初の並列4気筒エンジンの開発と生産に成功したことでも知られている。2022年にはサスペンションメーカー・マルゾッキとも提携して中国に生産工場を設立している。 そうした提携が結実したのが、世界初公開となった「SRK800RR」と「SRK1000RC」なる2台のプロトタイプだ。 ■SRK800RR「ウイングレット付きの800cc並列4気筒スーパースポーツ」 SRK800RRは、778cc水冷並列4気筒DOHC4バルブエンジンを搭載。最高出力は102ps/1万rpm、最大トルクは7.9kgm/8500rpmを発生する。2020年に登場したSRK600RRの進化系だが、600RRでは225kgもあった車重が、800RRでは207kgまで軽量化されている。 ■SRK1000RC「MVアグスタF4のフレームを用いた1000cc並列4気筒スーパースポーツ」 SRK1000RCは、MVアグスタとの提携によって誕生したもので、並列4気筒エンジンの排気量1078ccに由来する「TEN_78」なるサブネームを持つ。エンジンやフレームはかつてのF4をベースとしており、最高出力144ps、最大トルク11.4kgm。フロントサスペンションはマルゾッキ製。装備重量は198kgとなっている。いずれのモデルも発売時期は未定だ。